2006-01-01から1年間の記事一覧

2006年の回顧

テレビにトリノ・オリンピックの映像が出ると、あー、今年のことだったんだ、と思う。もう、2、3年前のことのように感じる。 後は何があったかなあ。WBCは見なかったし、サッカーのワールドカップは割に見ていたけれど、不思議とあまり印象に残っていない。 …

レノン≠マッカートニー

ここでわたしは混乱にますます拍車をかけようと思うのだが(たぶん、わたしの頭の中の混乱に)、こういうふうに考えたらどうかと思う。 保守 ポール・マッカートニー リベラル ジョン・レノン わたしはビートルズにも、解散後の彼らにもそんなに詳しいわけで…

保守

安倍首相が、保守がどうたらこうたらと言い出したものだから(正確には首相になるちょっと前)、保守とは何か、という話がよく出てくるようになった。 でもって、いろんな人がいろんなことを言うので、どんどんわかりにくくなっている気がする。 以前は、保…

逆もまた

じゃあ、というんで、逆に「汁」を「汗」にしてもまた、気持ちが悪い。 味噌汗 汗粉 なんてのも口にしたくないが、「豚汁」ならぬ、 豚汗 をお椀にたっぷりよそって、「さ、たんと召し上がれ」なんて出されたら、オエオエである。 あ、飯の前でした? スンマ…

棒一本の違い

「汗」という字と「汁」という字は、横棒一本あるかないかの違いなのだが、だいぶん、印象が違う。 たとえば、よく汗っかきの人がいるが、 汁っかき という人がいたら、まわりから、相当、気味悪がられると思う。 「いやあ、会議でぼーっとしてたら急に振ら…

男はつらいよ〜柴又通報篇

そんな設定をそのまま借りたCM。 とらやの上がりかまちに腰掛けたタコ社長(太宰久雄)が嘆いている。 「あ〜、DTPに押されて、うちの工場(こうば)はもうダメだ。一家心中するしかないよ」 律儀な博(前田吟)が正座して説得する。 「社長、そんなこと言わ…

違法コピー通報のCMを考える

昨日の内部通報の話の続き。 社内でソフトウェアの違法コピーをしていたら通報してほしい、という業界団体のCMがある。あれを「男はつらいよ」世界を借りたCMにしたらどうなるか、考えてみた。 ――と書いてから、不安になった。もしかして、今の十代、二十代…

チクる

学校時分になかったですか。「てめえ、先生にチクったろ」みたいな話。 この違法コピーの通報は、あのチクる感覚にとてもよく似ている。ほとんど同じだろう。 二重のルールのような話だと思う。 さっきの学校時分のチクる話でいうと、ガキにはガキの集団、ま…

井戸を覗くと

山手線の車両にはドアの上に液晶モニターがついている。 BSAという団体のCMがよく流れる。 会社員とおぼしき若い男女が出てきて、あたりを見回してから、 「違法コピーだらけの会社なんてイヤだー!」 「違法コピー使わせる社長なんてサイテー!」 と壁に向…

料理番組

たまに見てよくわからないのが、料理番組というやつだ。 作るほうではなくて、どこそこの店の料理が出てくるほう。 料理から湯気がふわ〜っとあがる映像が流れると、スタジオのタレントやら、サクラの観客やらが、「うわ〜」と身も世もない声を挙げる。 恥ず…

天草

昨日、友達のKさんと飲みにいった。 Kさんは九州・天草の出身で、今は東京でデザイナーと絵描きをしている。 天草は長崎の先にある島だが、最近はだいぶ便利になったらしい。何年か前に空港ができたので、今はすぐに帰れるのだそうだ。 飛行機はやっぱり複葉…

ゆくゆくは

いろんな人が亡くなっていく。 わたしは、近しい人を亡くした経験が少ない。それでも、遠い人、そこそこ近い人が亡くなっていく。 少しずつ近づいてくるような感覚はある。 自分が生まれたばかりの頃がこんなふうだったとする。 何しろ、こちらは新参者だか…

尻子玉

積年の恨み、という言葉があるが、積年の疑問、というものも、またあると思う。 長い間、ナンダロネー、と思いながら、何となくそのままになっているもの。何かの拍子に思い出して、ナンダロネー、とまた思うのだが、やっぱり、何となくそのままになってしま…

方言短歌

次は短歌でやってみよう。 お出ましいただくのは、石川啄木。わたしは日本文学史上、これほどダメな人も珍しいと思っている。ダメの王子様と言ってもいいくらいだ。 お題は、 はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢつと手を見る なお、啄木は晩年…

方言俳句

俳句の話が続くけれども、別に凝っているわけではない。わたしは俳人というより廃人に近い。 方言で俳句を作る、ということがあるのかどうかは知らないが、「生活に根ざした」とか、「生き生きとした言葉の感覚」とか、「郷土の心」とか、そういうリクツはい…

封入と開放

俳句というのは一種の形式美で、短い言葉にいろんなものを封じ込める。 一般に名句とされるものは、形式に収まることで、端正なたたずまいの中に滋味、風情をぎゅっと凝縮する。 「あ」の字には、それらを開放してしまう効果があるようだ。 わたしの好きな句…

「あ」

「あ」の字というのはなかなか偉いやつで、五十音のひらがな筆頭を務めている。 元々、ひらがなは、五十音より「いろは」のほうが幅をきかせていた。「いろはのい」というくらい「い」の字がいばっていたのだけれども、昨今はだいぶ廃れた。 「あ」の字は「…

運命と法隆寺

ンー、今いち、言わんとしていることが伝わっているかどうか、自信が持てない。 芭蕉は、この句を作ったとき、別に「俳句といえば、こういうの」という例を作ろうとしたわけではないだろう。 「お、水の音がした。蛙が飛び込んだのだな、あの池に。静かであ…

例のアレ化

松尾芭蕉の有名な句に、 古池や蛙飛びこむ水の音 というのがある。 あまりに有名で、引っ張り出されすぎるので、少なくともわたしは句として素直に味わうことができなくなっている。 「ああ、アレね」というのが先に立つのだ。 あるいは、「記号化」っつーの…

並ぶ展覧会

先日、上野に行く用事があったついでに、「そう言えば、ダリの展覧会やってたな」と見にいくことにした。 わたしは特段、ダリが好きというわけでもなく、美術史の本などで有名な絵を見たことがある程度だ。 横浜美術館で何枚か生で見たことはあるが、さほど…

侠気のノロウイルス男

身動きもできない満員電車の車内上空に、このピンク色のウイルスが飛んだら、凄いことになるだろう。 発見した乗客から悲鳴があがる。悲鳴はまわりの乗客に伝染する。「キャー!」、「ウワー!」と車内は大騒ぎである。 ウイルスのほうはそんなことなぞ、ど…

見えるウイルス

昨日、書いたノロウイルスにしても、インフルエンザウイルスにしても、あるいはさまざまな病原菌にしてもそうだが、“見えない”ということが伝染の不安をいっそう掻き立てるのだろう。 かかっていない人が「自分にも伝染るかもしれない」と不安・恐怖を覚える…

発症

こういうときに感心するのは、お医者さんという仕事である。 ノロウイルスは患者の便やゲロから感染する。あるいは、それらから手などにウイルスがつき、他の人に渡ることもあるという。 ワクチンはないから、医者だって、安全というわけではない。 1日に何…

ノロウイルス

今日はバッチい話になると思うので、その手の話が嫌いな方はパスしていただきたい。好きな方はとろろご飯でも食いながら読んでいただきたい。 吐き気、下痢に襲われるノロウイルスが流行しているそうで、困ったものである。 わたしには慢性の持病があって(…

何世代か

まあ、しかし、「団塊」の世代、という言い方も気の毒ではある。 何しろ、「かたまり」の世代だ。目方で量っているみたいで、本人達からすると、ちょっとねえ、だろう。肉買おうってんじゃないんだから。 言い換えるとしたら、何がいいだろうか。 アメリカと…

ビートルズ世代

団塊の世代をビートルズ世代と呼び換える流れがあるようで、ンンンンー、と、わたしは微妙な感覚になるのである。 実際には、団塊の世代のほとんどが、若い頃、ビートルズなんぞ聴いていなさそうだからだ。 団塊の世代で、ビートルズを同時代体験した人の話…

耳の痛い話

しかし、出たとこ勝負だっ! などと、いい気でいていいのか、と考えることも、まあ、ないではない。 茂木大輔というNHK交響楽団のオーボエ奏者がいる。N響のテレビ放送で、ちょび髭の顔がよく映る。 エッセイも書いていて、文体は山下洋輔の影響を受けており…

随筆

ここに書いているタワゴトは、日記とは称しているものの、随筆と呼んだほうが近いかもしれない。 随筆というと、何やら風韻がある。 寒風吹きすさぶ中、高く鳴くモズの声にしみじみと感じ入るとか、信濃路を歩みつつ来し方行く末を眺め見つつ去りし人々にし…

回転客

で、考えたのだが、いっそ、客のほうをベルトコンベアに載せて回す、という商売はできないか。 いや、寿司のほうが台に乗っていて、そのまわりを客がぐるぐる運ばれる、というのは、面白いけど、燃費が無駄だ。コストがかかり、本末転倒である。 食い物のほ…

回転寿司

回転寿司を最初に思いついた人は凄いなあ、と思う。 通常の寿司屋だと、寿司職人は客の注文を待っている時間が案外、長い。何人もの注文が重なるときもあれば、手持ちぶさたになるときもある。 回転寿司の場合は、客の注文に関係なく、どんどん握っていけば…