レノン≠マッカートニー

 ここでわたしは混乱にますます拍車をかけようと思うのだが(たぶん、わたしの頭の中の混乱に)、こういうふうに考えたらどうかと思う。


 保守 ポール・マッカートニー
 リベラル ジョン・レノン


 わたしはビートルズにも、解散後の彼らにもそんなに詳しいわけではないし、ファンでもない。
 そこそこ有名な曲は知っている、好きな曲もある、という程度である。そのうえでの話。


 yagian(id:yagian)が以前書いていたと思うが、ジョン・レノンの書く歌詞には抽象的な言葉が多く、ポール・マッカートニーには具体的な言葉が多い印象がある。


 ジョン・レノンが「愛」とか「平和」とか「神を信じない」とか「所有」とか言うのに対し、ポール・マッカートニーは「エリナー・リグビーさん」とか「おはよう」とか「ペニー・レイン通り」とか「市場で働くデズモンドさん」とか言う。


 保守というのは、今までそれで馴染んできて、そこそこいい感じで来たんだから、なるべく馴染んでいるようにやったほうがいいでしょう、という態度だと思う(そのとき、具体的な町の記憶とか、誰かの表情とかが頭に浮かぶのだ)。
 一方、リベラルのほうは、リクツが先に立つところがあって、なんせリクツだからして、しばしば乱暴なことを言う。


 乱暴が必ず悪いというわけではなくて、馴染み・馴れ合いが続いて凝り固まったとき、乱暴さは打破する力になる。


 でも、やっぱり、乱暴乱暴だ。へ、兵隊で言うと、どっちが、え、偉いのかな。


 音楽的にも、ジョン・レノンが時にアバンギャルドなほうに行くのに対して、ポール・マッカートニーは昔からの音楽の流れに反しない曲を作る印象がある。保守的なのだと思う(まあ、ジョン・レノン乱暴な曲ばかり作っているわけではないけれども)。


 要するに、それまでの馴染んでいる感覚なり、やり方なりをとりあえず大切にしましょう、というのが保守(価値観とか、伝統とか言い出すから、わかりにくくなるんじゃないかね?)で、もっと人間自由に考えて、正しいと思ったふうに変えればいいじゃん、というのがリベラルじゃなかろうか。


 うーん、ちょっと強引かな。自分ではそんなに的はずれでないように思うのだけれども。


 あと、これは皮肉なのだけれども、「イマジン」には「所有なんてないと想像してごらん」という歌詞があるけど、「イマジン」の著作権って、ヨーコさんが所有しているのかしらん。

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「今日の嘘八百」


嘘三百十八 なんてのは、全部、嘘。


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