2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

四大発明

中国四大発明というのがあって、 紙 火薬 印刷(活字) 羅針盤 がそうだ。北京オリンピックの開会式でマスゲームとともに紹介していたのを覚えている人も多いだろう。「どうだ、我が国の偉大さは!」と言わんばかりの仰々しい演出で登場した。まあ、確かにい…

紋切型の言い回し

今朝の新聞に、ある雑誌の広告が出ていて、こんなコピーがついていた。 混迷する現代社会を切る! 紋切型の言い回しである。現代社会のいろいろな問題に対し、あれこれもの申すのだということはわかるが、言葉の強さの割には見る人の心に響かない。「そうか…

講談の源流

土曜の心づもりでは、今日は「ひょっこり左門逮捕ノート」の続きを書く予定だったのだが、読み返してみてあまりに馬鹿馬鹿しいので、よすことにした。馬鹿馬鹿しいことを書くにはその馬鹿馬鹿しさにめげないある種のテンションが必要で、今日はそれがない。 …

ひょっこり左門逮捕ノート

昨日、時代劇のお定まりについて書いた。言うまでもなく時代劇はひとつのファンタジー世界であり、その世界の中だけで成立する約束事がある。で、ふと思ったのだが、時代劇を現代劇に置き換えるとどういうことになるだろうか。 時代劇の多くは捕物帖であり、…

時代劇のお約束

最近、民放ではあまり時代劇が流行らないようだが、わたしがガキの時分には随分とあったように記憶している。時代劇ファンというほどではなかったが、結構覚えている番組もあるので、割によく見ていたのだろう。 当時の時代劇というのはお約束のオンパレード…

笑いについて

笑いという感情というか、情動はなかなかに興味深くて、時折、考えてみることがある。 代表的なものは、うれしくて笑う、おかしくて笑う、だろうが、この2つ、少しばかり違っているように思う。 生まれて間もない赤ちゃんがにこにこと笑うのはおそらくうれし…

勢いで付く言葉

「その手は桑名の焼き蛤」の類の言い回しを何と呼ぶのだろうか。慣用句、常套句といえばそうなのだが、もう少し細かい呼び名がありそうにも思う。もちろん、駄洒落ではない。洒落を言いなしゃれのような幼稚な言葉遊びと一緒にしてはいけない。 駄洒落が音と…

自転車と無力感

昨日の続き――ということでもなくて、まあ、白状すれば、毎日こうやって書いているが、何について書くかなんて実はどうでもいいのである。とりあえず他に書くこともないから、自転車についてでも書くか、てなものだ。ああ、槍投げなわたし。申し訳ない。 今、…

自転車の記憶

母親が子ども二人を自転車に乗っけて走っている光景を、時折見かける。サドルの手前に1人、こっちは小さい子ども。荷台に当たるところに1人、こっちは大きいほう。そうやって幼稚園のお友達やなんかの話をしながら母子が自転車に乗っている姿は、なかなかに…

新入社員のスーツ

この季節、電車に乗っていると、明らかに新入社員とわかる若者を見かける。 なぜわかるかというと、顔つきや、どこかたどたどしい話ぶり、それからもちろん話の内容のせいもあるが、ひとつにはスーツ姿に違和感があるのだ。 スーツが卸したてというだけでは…

ピート・ローズ

改めてメジャーリーグで4,256本ヒットを打ったピート・ローズの偉大さを思う。イチローが若いうちからあれだけ打ち、しかも大きな故障もなく来て、あとまだ1,100本近く打たねば追いつかぬとは。 あ、でも、日本のプロ野球とメジャーでは試合が違うということ…

探さなければならない程度の自分って

嫌いな言葉というのがわたしにはいろいろあって、例えば、「自分探し」というのがそうだ。 チルチルミチルの青い鳥。何かこう、言葉に酔ってしまっている気がする。自分探しをして、自分を見つけた人ってどれくらいいるのだろうか(ドッペルゲンガーを除く)…

台無しの気分

映画は――といっても、もっぱらDVDだが、割によく見る時期ととんと見なくなる時期があって、平均すると、週に2本くらい見ているだろうか。 映画の特にオープニングの雰囲気が好きで、さて、これからどんな映画を見せてくれるのだろう、とちょっと特別な気分に…

人間の能力について

相変わらず唐突な話題で申し訳ないが、超能力というものがあるとかないとか言われる。 わたしがガキの時分、ユリ・ゲラーという人が来日して、大変に話題となった。テレビに出て、スプーンを曲げ、テレビを通じて全国の時計を直す、ということをやってみせた…

自由主義的水滸伝

一昨日書いたように、かつての中華人民共和国ではマルクス主義史観で水滸伝を解釈することが行われたという(すべて高島俊男著「水滸伝の世界」からの受け売りである)。梁山泊は農民起義軍であり、黒旋風李逵のあだ名は人民の反侵略闘争の政治思想を表現し…

マルクス主義史観的水滸伝

相変わらず水滸伝を読んでいる。とても楽しい。 水滸伝は108人の豪傑が湖の中の要塞化した島、梁山泊に集まり、天下を相手に大暴れする、というお話である。後半に入ると、逆に朝廷から官軍のお墨付きをもらい、異民族(もちろん、漢民族から見ての話)や反…

H先生のこと

たいていの人には、学校時代、妙に印象に残っている先生がいるものだと思う。 わたしにとっては、高校時代の世界史のH先生がそういう人であった。H先生は顔が戸塚宏に酷似していて、人相見というものが当たるのかどうかわたしにはわからないけれども、戸塚氏…

面倒くさがりは救われない

自慢にならないが、わたしはたいそうな面倒くさがりで、どうかすると飯を食ったり、ウンコをしたりするのさえ、面倒くさく感じる。 昔話では、三年間寝ながら思案した末に灌漑だかなんだかリッパなことを成し遂げてしまう三年寝太郎より、都にのぼって歌を詠…

西洋型学問の成立条件について

ここから一気に飛躍するのであるが、もし、西洋型の学問体系が、西洋ではなく、日本で最初に始まったら、どういうふうになったであろう。例えば、数学は学問の礎とも言われるが、昨日触れたピタゴラスの定理の証明は、次のようになったんではないか。 はじめ…

あいまいな日本の言い回し

タイトル、芸のないもじりで申し訳ない。 木下是雄の「理科系の作文技術」に、日本文学者ドナルド・キーンの次のような文章が引用してある。孫引きになってしまうが、ご勘弁いただきたい。 「鮮明でない言葉はフランス語ではない」という言葉があるが、日本…

ピタゴラスの定理の通用しない宇宙

いきなりのSF思考になってしまうが、この宇宙はさまざまな法則によって成り立っていて、法則と法則の間に矛盾はない、とされている。正確に言うと、まだ矛盾は発見されていない。例えば、数学の無謬性というらしいが、正しく展開された数学の定理と定理が矛…

和語と漢語の書き分け

漢字とひらがなの使い分けには、いくつかの方法があるようだ。 1つは、基本的に漢字を使える所では全て使うと謂う物。例えば、今書いて居る此の段落の文章が然うである。古い出版物は斯ういう風に割と漢字を多く使って居る事が多く、少々厳めしい印象を受け…

身勝手な見方

煙草をやめて、かれこれ7、8年になる。 それまではヘビースモーカーだった。主にピースライト(ライトといっても、あれは結構ヘビーである)を吸っていたのだが、これはさすがにいかんかなあ、と軽い煙草に変えたら物足りなくなり、日に3箱吸うようになった…

水滸伝の語り口

完訳 水滸伝〈1〉 (岩波文庫)作者: 吉川幸次郎,清水茂出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1998/10/16メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (17件) を見る 水滸伝を読み始めた。 岩波文庫の「完訳 水滸伝」の第一巻は前から持っていたのだが、い…

いかんともしがたい快感

風邪を引くと、いかんともしがたい状態になる。どうにかしようとしてもどうにもならくて、「あー、だめだー」と諦めるしかないふうになる。苦しいといえば苦しいのだが、一方で、ダメの流れに身を任せるのには、ちょっとだけ快感もある。 スキーで転倒すると…

ホメオスタシス

(今日の話は少々汚いかもしれません) 先週末から風邪をひいていたのだが、どうやら復活した。復活した、と言っても、わたしの調子いいときというのは、普通の人の「あれ? 今日は何か調子悪いな」程度だ。健康には負の自信がある。かなり低いレベルでホメ…