2020-01-01から1年間の記事一覧

ある抵抗感

12月24日にはSNSで「メリークリスマス!」が連発される。毎年、この時期になると感じるのだが、あれ、抵抗感を覚えないのだろうか。 クリスチャン、あるいはそれに近い心情の人たちがメリークリスマスを言うのはいい。それは信者として当然だ。しかし、そう…

文明と文化

マーケティング方面にイノベーター理論というのがあって、真新しいテクノロジーや製品、サービスをいつ頃受け入れるかを5つに分ける。早い順にイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードという。 イノベーター…

人間だもの

相田みつをという詩人というか、書家というか、そういう人がいて、人についての「いい言葉」をやたらと書きまくった。結構好きな人は多いらしい。 おれは馬鹿者なので、あんまり関係ないところで生きてきたが、いくつかの作品(というのか?)は知っている。…

痒みと思考

おれはガキの自分からアトピー体質で、かれこれ半世紀にわたってカイカイカイカイ、と感じてきた。 痒みというのは不思議なもので、ひとつの患部でも特に痒みを感じないこともあれば、突然猛烈な痒みが襲ってきて、どうにもならないことがある。また、ある場…

やりたい邦題

おれは高校時代からロックが好きで、高校時代(1980年頃)にはハードロックやプログレにはまっていた。 映画と同じで、今は洋楽のタイトルに邦題をつけることはあまりなく、英文をカタカタ表記するのがメインだ。しかし、70年代から80年あたりまでは邦題をつ…

庶民民衆大衆市民国民

おれの住んでるあたりに「庶民派」と臆面もなくポスターに書いている政治家がいて、この人は馬鹿なのだろうか、見るたびに思う。 まあ、馬鹿なのかどうかは知らないが、あまり「庶民」ということについて考えていないのは確かだろう。庶民っていったい誰なの…

ギャンブルと主観と統計と

立川談志が何かで「ギャンブルというのは客観を主観に変える作業でしょう」と言っていて、なるほどなー、と思った記憶がある。 ギャンブルというのは基本、確率論で、たまたま当たったら「おれはツイテいる」と感じ、当たらなければ「ツイテいない」と感じる…

ソーシャルな歌舞伎座

ひさびさに歌舞伎座へ行った。 コロナ禍で、ようやく10月から歌舞伎が再開したそうで、なかなかの厳戒態勢だった。 入場するときにチケットの半券は自分でもぎり、係員の持つ箱の中に入れる。手のアルコール消毒と体温チェック。まあ、このあたりは普通であ…

やっかみとやつあたり

おれは人の色恋というものにとんと興味がなく、有名人の不倫沙汰なんかの騒ぎを見ると、人の色恋によくまあそんなに反応できるものだ、と不思議の念を覚える。 ある人が「あれは本当は自分が不倫したいからなんですよ」と言っていて、なるほどなあ(おそらく…

お客様は神様ですが

ネットで拾ったのでどこまで本当なのかわからないが、顧客対応をしている人が相手から「おまえ、客から金をとるつもりか!?」と凄まれたという話がある。思わず笑ってしまった。 住んだことがないので外国でどうなのかはわからないが、少なくとも日本では「お…

内臓品質

おれは臓器提供者の意思表示をしていて、そのココロはどうせ死んだら燃やすんだから内臓なんていらないヨ、というだけのことである。おれが事故にあうかなんかして助からないとなったら、勝手に持ってけ、ドロボー、てなものだ。 しかしまあ、ひとつ問題なの…

正しい日本語と方言

おれは富山で生まれ育って、大学に入るため、東京に出てきた。 富山にいた高校まではがっつり富山弁をしゃべっていて、今でも父母兄弟と話すときは自然と富山弁になる。 若い頃は、東京で方言を話すのは恥ずかしいこと、という感覚があった。高校生のとき、…

怒っているのは誰か

前にも書いた気がするが、もはやおれの頭のなかは靄の森のなかなので、ご勘弁。 大嵐などの異常気象、地震、火山の大噴火などが起きると「(人間の活動に対して)地球が怒っている」などと言い出す人がいる。 聞くと、いつもムゥと萎えるような心持ちになる…

起きていたことの歴史とファンタジーとしての歴史

立川談志が何かの噺のマクラでこんなことを言っていた。 「最近は本当の歴史を教えないでしょう。本当の歴史というのは、国定忠治とか、鼠小僧次郎吉とか、ピストル強盗清水定吉とかね」 どの噺だったか思い出せず、うろ覚えで書いた。出てきた人物は間違っ…

遼太郎がゆく

司馬遼太郎、という作家がいる。 大正の終わりに生まれ、戦後に人気作家となった。 初期は忍者小説を書いていたが、しだいに歴史上の実在の人物を主人公とする歴史小説を書くようになった。 国民的作家、と呼ぶ者もいる。 その、極めて酒精分の高い文体は、…

思想の疑惑

思想というものに出くわすとつい疑惑のマナザシで見てしまうクセがおれにはある。まるっきり否定するということでもなくて、「ホントかな?」と少し距離を置いて見ている感じである。 思想、あるいはもっと広く人の考えというのは、ある一面は言い当てること…

川と繁華街

昨日、自転車で近くの目黒川をさかのぼった。中目黒のあたりは目黒川にそってこぎれいない店が多く、なかなかにいい感じである。中目黒が洒落たスポットになったのはここ5年くらいだろうか。 全国の繁華街を考えると、川の近くに風情のある街が多い。京都の…

Jリーグ四百年構想

おれはプレミアリーグのサッカーが好きで、特にリヴァプール戦をよく見る。 プレミアリーグはもちろん、選手たちやチームプレーも素晴らしいのだが、スタジアムの雰囲気、盛り上がり方も素晴らしい。自分の街のチームを後押しする(成績が酷い時は罵倒もする…

数字が名前の人々

相変わらず唐突な話題で恐縮だが、日本人には時折、数字を名前にしている人がいる。 最も有名かつ強いのは、ゴルゴ13だろう。もっとも、ゴルゴは公式(ん?)には謎の東洋人ということになっているのだが、デューク東郷という別名といい、ゴルゴの正体を探る…

国会議事堂は改装したらどうか

映画「ウィンストン・チャーチル」を見た。 ゲイリー・オールドマンのチャーチルへの化けっぷりも素晴らしく、なかなか迫力のある映画だった。 youtu.be 予告編の後半にも出てくるが、イギリスの国会の下院は与党と野党が向き合うかたちになっていて、侃侃諤…

気持ち悪い言葉

おれには聞いた途端に反射的に「なんだそりゃ! コノヤロー!」と思ってしまう言葉があって、たとえば、官民一体となって、という言葉がそれだ。 まず第一に「一体となって」というのが気持ち悪い。役所の好きな「ふれあい」という言葉を漢字で書くと「触り…

引いて見るとどうなのか

ご案内の通り、ニュースというのはだいたい最も衝撃的な部分に焦点を当てる。異変を知らせるのがニュースの大きな役割だからだし、また衝撃的なことは人を引きつけるから商売方面から圧力がかかってもいる。 しかし、そこから引いて見るとどうなのだろう、と…

なで肩哀歌

おれはなで肩で、引いて見ると、イカのような形をしている。 ショルダーバッグを肩にかけるとズリズリずり落ちる。あれはなんとなく嫌なもので、おのれの無力感を思い知らされる。「ああ、おれはなんで生まれてきたんだろうか」とふと厭世的になってしまう。…

興味のないことを叩く

最近、またコロナの感染者が増えてきて、世の中の不安がじわじわと高まってきている。 ホストクラブで感染が判明して、ホストを叩く風潮ができているらしい。この手の袋叩きにする相手というのは時々で変わって、緊急事態宣言が出る前後にはパチンコ屋がやた…

どちらが可哀想な犬か

(注:少し残酷な画像が含まれます) 「フランダースの犬」はなかなか有名な物語で、特に今の五十代の人はテレビでやっていたアニメの印象が強いだろう。 フランダースというのはベルギー北部のフランドル地方のことだそうで、なかなか大雑把なタイトルであ…

駄洒落

同世代の人々と話したり、SNSでやりとりをしているといきなり駄洒落をかまされることがある。 年をとると駄洒落を言いがちになるのは脳の前頭葉の衰えによるのだそうで、前頭葉は感情的な衝動をセーブする役目を担っているらしい。ここが衰えると頭に浮かん…

サムライ・ホテル

サムライとか武士道についておれは真面目に考えたことがなく、その手の話はたいがい何かの勘違いだろうと思っている。 YouTubeを見ていたら、ジョン・ベルーシが1970年代にサタデイ・ナイト・ライブ(アメリカの人気バラエティショー)でサムライを演じたコ…

2つに分ける

理系女子がどうの、という話が時々出ることがあって、まあ、井戸端会議的にわあわあ言っている間はたわいもないが、実際の対応だの扱いだのに響いてくると、なかなか罪深い。 そもそも理系、文系という分け方があんまり役に立たないというか、かえって害が多…

幕末の志士と現代のムスリム戦士

昨晩、ぼんやりとNHKの大河ドラマについて考えていて、ムスリム戦士に思い至った。これだけ書くと、なんだかわけがわからないが、こういうことだ。 大河ドラマでは何年かに一度、幕末物が制作される。たいていは幕末に活躍した人たちを好意的に描く。その中…

海外

ご案内の通り、我が国は嘉永六年にペリーの黒船来航に腰を抜かし、わーわーと大騒ぎのうちにわずか十年余りで御一新を迎え、西欧派遣団がヨーロッパで再び腰を抜かして、ざんぎり頭を叩きながら文明開化の世となり、御雇外国人を迎え入れたり、決死の覚悟で…