2つに分ける

 理系女子がどうの、という話が時々出ることがあって、まあ、井戸端会議的にわあわあ言っている間はたわいもないが、実際の対応だの扱いだのに響いてくると、なかなか罪深い。

 そもそも理系、文系という分け方があんまり役に立たないというか、かえって害が多いように思う。「これは理系向けの仕事である」「これは文系向けの仕事である」などと分けているうちに、いつのまにかその仕事の内容にまで関わってきてしまう。変に仕事に作用してしまう。

 同じ伝で、右翼、左翼という分け方もずいぶん乱暴だと思う。いろいろな主義主張、考え方、行動をたったふたつに分けてしまって、「左翼というのは〜」「右翼は〜」などと単純化してしまう。

 あのさー、と思うのである。血液型性格判断(あれはデタラメらしいが)でさえ4つ、星座占いでさえ12あるのに、主義主張がたった2つなのだ。

 この手の2つに分けてしまう草分けはおそらく男と女だろう。若者と年寄りというのもある。そこにはオカマと30代の出る幕がない。あるいは右脳と左脳というのもありますね。あれもだいぶ曲解されているらしい。

 2つに分けて考えがちなのは、おそらくそのほうがラクだからなんだろう。しかし、ラクして出した答えは怠け者の答えであって、その程度の効力しかない。

 そして、この世で最も害をなす分け方のひとつは「我々とあいつら」である。