2010-01-01から1年間の記事一覧
京都の町はおおよそ平坦だから、自転車で走るのに向いている。今の季節、空気は冷たいけれども、自転車をこいでいるとだんだんと体の奥から熱を発してきて、風も心地よく感じられる。それに、自転車をこぐとランナーズハイのような一種のトリップ感を覚える…
この間の日記では、ジョン・レノンとロジャー・ウォーターズをメッセージ主義的、ポール・マッカートニーとデイブ・ギルモアを音楽主義的といささか乱暴に書いたけれども、メッセージ主義、音楽主義というのは自分でもあまりよいくくり方とは思わない。ジョ…
yagianがブログにジョン・レノンについて書いていた。→ 山の手の日常 - 前衛芸術家、革命家としてのジョン・レノン 彼の言う通りで、ジョン・レノンは、歌を使ってと言うと語弊があるが、少なくとも歌と一体化させる形でラディカルな主張を行った。歌詞の英…
毎度ながらいきなりの話題で恐縮だが、今朝、突然の腹痛に見舞われながら、理解、納得、知識獲得、共感の違いについて考えた。 痛みというのは人体の信号であって、基本的には「何かまずいことが体に起きているから何とかしなされ」ということを神経系統を使…
企画系の仕事をしている人には、PowerPointを使う人も結構多いんじゃないかと思う。 PowerPointにはクリップアートなるものがあって、スライドに簡単に絵を入れられるようになっている。こんなようなものだ。 使っている企画書をたまに見ることがあるのだが…
つらつらといろんな文章を読んでいると、ジャンルによって傾向というか、癖のようなものがあるように感じる。 わかりやすい例は思想好きの人々の文章で、「〜性が」とか「逃走」とか「言説」とか「胚胎」とか「非〜的」とかそういう言葉が並びがちである。お…
京都で暮らしてみて感じることのひとつに、京都の人の京都への愛情がある。京都には京都のことが好きな人が多い。他の土地への憧れや、部分的に京都のこういうところが嫌いということがあったとしても、全般的には多くの人が京都を愛している。 実際、京都に…
読んでいないのでアレなんだが、今年発売された小説のタイトルで一番インパクトがあったのは、「桐島、部活やめるってよ」だったのではないか。タイトルから想像するに、桐島という高校生が部活をやめるという噂が高校生の間でいろいろと波紋を呼ぶ、と、そ…
先日ふれた速水融先生(文章を読むと先生と付けたくなるお人柄がにじみ出ている)の「歴史人口学で見た日本」(文春新書)によると江戸時代の江戸、京・大阪といった大都市圏の死亡率は非常に高かったらしい。人が流入するにもかかわらず人口がほとんど変わ…
yagian(id:yagian)に薦められた速水融の「歴史人口学で見た日本」を読んだ。歴史人口学で見た日本 (文春新書)作者: 速水融出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2001/10メディア: 新書購入: 8人 クリック: 120回この商品を含むブログ (32件) を見る 歴史人口学…
おれはこれでもなかなかチャレンジングな一面を持っていて、ガキの頃からそうであった。 よく、側溝のふち、ぎりぎりのところ(コンクリートが一定の幅で白っぽくなっているところがるでしょう。あそこ)を横にはみ出ないように歩こうとして、ドブに落っこち…
たまに楽天トラベルでホテルの予約をするのだが、その後の売り込みメール攻撃に辟易としている。予約すると自動的に売り込みメールを送りつけてくるのがうるさいので(事前に送るか送らないかの設定はできない)、その都度解除するのだが、新しくホテルを予…
クルマの免許を持っている方は、教習所や警察の講習などで「だろう運転」「かもしれない運転」について習ったことがあると思う。「だろう運転」というのは、歩行者や周囲などの危険について「大丈夫だろう」と高をくくって運転することであり、「かもしれな…
最近流行っている歌というものにおれは興味がわかないので、日本の歌についてはせいぜい年末の紅白で「へー、こういうのが流行ってたんだ」と知るくらいである。ここ何年かの印象は中学校の合唱コンクールみたいな歌が増えているなあ、ということなんだが、…
熊があちこちの町におりてきて、騒ぎになっているらしい。射殺されることも多く、それに対してかわいそうだとか、人間のエゴが原因だとか熊側に立った意見も聞かれる。 どうもこの手の話について考え出すと、もやもやしてしまう。 まず熊は非常に危険な動物…
このところ、プログレ(プログレッシプ・ロック)の曲をいろいろ聞いている。 単調な作業の仕事をしていて、BGM代わりにYouTubeで音楽を流しているのだが、3分くらいで終わる曲だとしょっちゅう曲を選ばなければならない。プログレの曲は長いものが多いから…
例によっての何となくの印象で記すんだが、日本では文化の甘口化が進んでいるような気がする。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が結構売れているらしい。読んでいないので間違っていたら申し訳ないが、…
磯田道史の「武士の家計簿」(新潮新書)と「殿様の通信簿」(新潮文庫)を読んだ。「武士の家計簿」は、加賀藩の下級武士だった猪山家の出納帳と日記を元に、当時の武士の生活感覚を再構成してみせた本だ。武家の生活を実証的に解き明かしているところが面…
文化の遺伝子とか文化のDNAというようなことを書く人がいて、ちょっとひっかかる。おそらくは比喩なのだろうけれども、そうだとしてもあまりよくできた比喩とは思えない。 結構複数の文化の影響を我々は受けるものだし(何をもって「この文化」「あの文化」…
以前からよくわからなくて、今でも答の出ない問題に、食べ物の好みのうるささというのがある。いわゆる舌の肥えた人というのは、食事に対する評価の基準が他の人よりも高く、厳しいのだろうと思う。それは素晴らしいことのようにも感じられる一方で、いや本…
Lang-8というSNSで外国人とやりとりをしている。 昨日、「頭文字は別として、日本企業が英文で社名をすべて大文字表記することをどう感じる?」と訊いてみた。たとえば、「Sony is 〜」ではなく、「SONY is 〜」とするような書き方だ。 これがなかなか評判が…
今朝の新聞にENEOSが動物の絶滅危惧種を取り上げた広告を載せていた。新聞の各面の小さなスペースに絶滅が危惧されている動物を一種ずつ取り上げ、名前のうちの一文字を伏せ字にしている。伏せ字を並べるとキーワードが浮かび上がる、という仕掛けらしい。コ…
おれが生まれ育ったのは富山で、あまり知られていないが、なかなかにヘビーな方言を使うところだ。初めて富山弁を聞いた人は半分くらいしかわからなかったりするらしい。まあ、たとえばかいてみっとね〜ぇ、こんなかんじながで、まっでわからんいわれんがん…
LOHAS(Lifestyle of Health And Sustainability, 健康と持続可能性のライフスタイル)という言葉があって、健康に生きて、社会が(あるいは自然を含めた環境が)これからも持続できるような生活様式をとる、というような意味が込められている。 それはそれ…
全然自慢にならないのだが、おれは実は大変な恥ずかしがり屋で、その証拠にこの文章も赤面して、いやんと身をくねらせながら書いている。 今までいろいろと恥ずかしい思いをしてきたのだが、どんな恥ずかしい思いをしてきたかは恥ずかしくて書くことができな…
例えば、次のジョークを読んでいただきたい。 太った身なりのよい紳士が高級レストランでディナーを食べた。食事をゆっくりと楽しんだ後、高級ブランデーのグラスを手の中で揺らしながら、紳士は給仕長を呼んで、言った。 「僕を覚えているかね? 3年前の今…
ニュートンが、木からリンゴが落ちるのを見て、万有引力の法則に思い至ったという話は有名だ。 この話、どうやら作り話らしいのだが、実話をにおわせる傍証もあって、真相はよくわからないらしい。人口に膾炙しているということは、作り話であれ、実話であれ…
のっけからややこしい話を繰り出して恐縮だが、科学というのは、蓄積されてきたデータを元に、一定の手続きに従って論理的に考えて経験的に確かめ、あるいは経験的に確かめて論理的に考え、「うむ、これは間違いなかろう」となったことを再びデータとして蓄…
ふと思い当たったのだが、というかふと思い当たったようなことしかここには書いていないのだが、日本画では人物がこちら(絵の鑑賞者)に目を向けている構図がほとんどないように思う。浮世絵の美人達はたいがいあさってのほうを向いているし、物語絵巻の登…
少し前に楽天が英語を社内の公用語にすると発表して話題になった。一企業の話であるし、おれは楽天の株主でも楽天に融資しているわけでもないから、したいようにすればいいじゃないかと思う。 ましかし、野次馬的には、どういう具合になるのか興味がないでも…