だろう運転、かもしれない運転

 クルマの免許を持っている方は、教習所や警察の講習などで「だろう運転」「かもしれない運転」について習ったことがあると思う。「だろう運転」というのは、歩行者や周囲などの危険について「大丈夫だろう」と高をくくって運転することであり、「かもしれない運転」というのは、「危ないかもしれない」と危険を想定する運転のことだそうだ。「だろう運転ではなく、かもしれない運転を心がけなさい」と教習所や警察では勧めている。

 以前からおれはどうもこれに納得がいかない。「だろう――大丈夫」、「かもしれない――危ない」という組み合わせは恣意的ではなかろうか。組み合わせを変えれば、「だろう運転」は「危ないだろう運転」かもしれず、その場合、警察はこれを積極的に勧めるべきではないか。「かもしれない運転」なんてもっとすごい。なんたって、「大丈夫かもしれない運転」だ。暴走族のチキンゲームみたいなもので、やっぱりそれは心がけてはいかんと思うのだ。