2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

年齢と小津安二郎

小津安二郎の「小早川家の秋」を見た。 小津安二郎の映画はどれも、世の映画全体の平均からすれば、ひどくショッキングな事件が起きるわけではない。人が殺されることもないし、地震で都市が崩壊することも、竜巻が荒れ狂うことも、超能力少年が未来を予知す…

おれと単純化と人間集団の性格について

物事を単純化して考えることにはいろいろと弊害があって、一番の害はきちんと物事のありようや他の要因を捉えられなくなることだと思う。そうして間違った結論や、見当外れな方策を導き出してしまうのだ。 例えば、おれが女の子から「稲本さんて足が短ーい」…

新しいという麻薬

戦前の浪花節の人気というのは今からは想像がつかないほど凄いものだったらしい。浪曲師は休む間もなく会場をまわって随分と儲かったが、あまりの忙しさのせいかたいがいは壮年で亡くなったそうだ。あまりに儲かるので、ヤクザが人気の浪曲師を囲い込み、そ…

英語と洗練

デザイナーと仕事をすることが多い。彼らは、機能上意味がなくとも――つまり、英語でコミュニケーションする必要がなくとも――しばしば言葉を英語で表記したがる。たとえば、バッチい例で申し訳ないが、作っているもののどこかに、 Shit などとあしらうのであ…

見下す人

近所に中国風の麺類を食べさせる店がある。店の作りは中国の食堂を模していて、出てくる麺はラーメンとは少し違う太い麺である。味も大ざっぱといえば大ざっぱだし、鷹揚と言えば鷹揚な中国風である。 先日その店に行った。店はそこそこ賑わっていた。接客の…

ステージと勝負

ミュージシャンや芸人がステージにあがるときは、どこか「勝負!」という感覚があるんじゃないかと思う。いやまあ、最初から客を手の内にあるかのように捉えている人だっているんだろうけど、基本的には客の反応はやってみないとわからず、先行きが読めない…

新しもの好き

どちらかというと新しいものに対して興味のあるほうではなく、冷めた目で見ているほうだと思う。 携帯電話が普及しだしてからもしばらく持たなかったし、今もスマートホンをあまりほしいとは思わない。携帯電話のメールすら送られてきたら返信するくらいで、…