2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

初めて殻付き卵を産んだやつ

生物の進化というのは、考え出すと実に不思議で、興味が尽きない。なんでこんなになっちゃんたんだろなー、とわたしはよく考えるのだが、例によって知識も思考力もついでに向学心もないので、なっちゃんたんだろなー、のまわりをぐるぐる回るだけである。「…

映画の口上

今朝の新聞に、ある邦画の広告が載っていた。大きな文字で「N.Y.熱狂!!」とある。“大げさだな……”と思ってよく見ると、「N.Y.」の下に物凄く小さな文字で「(2.6ワールドプレミア)」と書いてあった。事情は知らないが、ニューヨークで上映会をやったら好評だ…

七転び八起き

わたしの推計では日本人の18.6%が考えたことがあると思われるのだが、「七転び八起き」という言い回しに今ひとつ納得がいかない。七度転んで八回起きる、とはどういうことだろうか。計算が合わないように思うのである。 図で考えてみよう。 最後は、ただ起…

ヤラセとシキリ

テレビの本質はヤラセとシキリだという説があって、なるほど、なかなかうがったことをいう。 ――などとトイレに座りながら考えていたら、悟りを開いた。もっとも、わたしは週に二、三回は悟りを開くから、あまり当てにはならない。 テレビの本質はヤラセとシ…

詩を歌った時代

よくは知らないが、詩というのは元々、節をつけて歌うものであったらしい。 例えば、漢詩は前漢の頃には楽曲がついていたという。それがだんだんと音楽から離れていって、後漢から三国の頃に純然たる言語の芸術となった。三国志で有名な曹操は、言語としての…

酔っぱらいのリアリティ

何事も素早い現代ではもはやタイムリーな話題ではないが、少し前に中川財務・金融大臣の朦朧会見というのがあった。 酒を飲んでいたのか、薬の影響なのか、真相についてはもちろんわたしの知るところではない。世界第二位の経済大国の重要閣僚がG7の直後にあ…

文章に縁のある人・縁のない人

「文章の書き方サイト」を作るために、昨年の暮れから文章術にまつわる本をいろいろと読み始めた。今も惰性で読み続けている。 清水幾太郎の「私の文章作法」を読んだら、こんな話が出てきた。 良い文章を書ける見込みのある人、文章というものと縁のある人…

お・ご・み

丁寧な言い回しをするときの表現に、言葉に「お」「ご」「み」を付けるというのがある。 どのくらい付けるかというのは、もちろん、人や会話、文章によってまちまちで、いい具合になるときもあれば、何だか妙な具合になるときもある。 例えば、 おご飯 とい…

聖なる人々

少し前に「裸の大将放浪記」について書いた。といっても、随分とくだらない内容であったが……。「裸の大将放浪記」は山下清画伯がモデルになっている。ただし、相当脚色されているらしい。 山下清画伯が亡くなったのは1971年だから、現代の人と呼んでもいい。…

実用的な国語教育の不足

もっとも、文を論理的に把握することに、現在の国語教育がどれだけ力を入れているかは疑問だ。中学校の国語教科書を読んだ限りでは、作文教育の比率は少ないようだし、文法の説明も少ない。読点の打ち方すらあいまいな教え方をしている(きちんと教えると、…

日本語の文法用語の不統一

こうやってまとめる作業をしながら感じたのは、日本語の文法用語が混乱していることだ。 例えば、 昨日の夕方、外出した。いい天気だったので、外出した。 という文で、「昨日の夕方」と「いい天気だったので」を、文の中の要素として何と呼ぶか。どちらも「…

「文章の書き方サイト」を書き改めました

去年の12月に「文章の書き方講座」というウェブサイトを作った。何やらふわふわした内容で満足いかず、思い切って全て書き改めることにした。 もっと実用的な内容のほうがよいだろうと考え、仕事で書く文章に対象を絞った。なので、味わいのある文章とか、そ…

西村佳哲さんの「自分の仕事をつくる」に解説を書きました

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)作者: 西村佳哲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/02/01メディア: 文庫購入: 23人 クリック: 609回この商品を含むブログ (90件) を見る 尊敬する友人・西村佳哲さんの著「自分の仕事をつくる」が文庫化するにあたり、解…

「麦秋」雑感

若い時分、わたしは小津安二郎の映画を見るとき、いささかの我慢をしていた。お勉強的態度がどこかにあった。退屈でもあった。 しかし、今、この年になると、見ていて面白いと感じる。 この、若い頃と現在の違いは何のせいだろうか。年とる間に見てきたもの―…

杉村春子・LOVE

麦秋 [DVD] COS-022出版社/メーカー: Cosmo Contents発売日: 2007/08/20メディア: DVD購入: 3人 クリック: 127回この商品を含むブログ (47件) を見る“紀子さん、パン食べない? アンパン” 小津安二郎監督の映画「麦秋」の中から、杉村春子のセリフである。笑…

やはり困ること

例によってのとりとめない話題なのだが、山下清画伯をモデルにした「裸の大将放浪記」は多くの人に愛されている。現代における一種の伝承・伝説と言ってもよい。昔に別れた恋人の顔は思い出せなくても、ランニングシャツにリュック姿で全国を歩き回る芦家雁…

戦場の楽器弾き

昨日書いた「戦場のピアニスト」は重たい映画だ。「感動」などという言葉で簡単に片付けてはいけないものがある。 しかし、それはそれとして、ピアニストはいいよな、ああいう映画でサマになるから、とも思う。 映画のクライマックスで、廃墟の中を逃げまど…

嗜虐的な喜びについて

戦場のピアニスト [DVD]出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント発売日: 2003/08/22メディア: DVD購入: 2人 クリック: 211回この商品を含むブログ (333件) を見る 子どもの頃に、列をなして歩く蟻をわざと踏みつけた記憶がある。はっきり覚えて…

漢語・外来語をひらがなにする心

少し前に「かんぽの宿」や「ゆうちょ銀行」というひらがな表記について書いた(id:yinamoto:20090206)。幼稚だからヤメテクレヨ、という話である。 郵政方面には、他にもこの手のひらがな表記があった。 ゆうぽうと これまた幼稚だ。何をお子ちゃまぶってい…

昔の広告文

岩淵悦太郎編著「悪文」は、タイトル通り、さまざまな悪文を集めて、なぜ悪文になったのかを分析している本だ。 中に昔の広告文がいろいろと載っている。初版発行当時の昭和30年代のものが多いようだ。 それらの広告文、「悪文」とされてはいるが、今からす…

女の腐ったようなやつ

ふと思ったのだが――というか、毎日、ふと思ったことしか書いていないのだが、「女の腐ったようなやつ」という言い回しがある。 おそらく、女性の方々には評判の悪い言い回しだろう。失礼しちゃうわね、フン! てなもんではないか。「女の腐ったようなやつ」…

人を馬鹿にするな

かんぽの宿をどうするという話について、特に意見はない。よきにはからえ、ワッハッハ、てなものである(社会参加の意志というものがまるでない)。 しかし、毎度書くけれども、この手のひらがな表記は何とかならんもんかと思う。 かんぽの宿 である。おまえ…

照れについて

わたしは照れ屋で、その証拠に今、「わたしは照れ屋で」と書いた瞬間に顔が真っ赤になった。まあ、自分から「照れ屋で」などと書くのは、よい照れ屋ではないが。 わたしの照れ屋歴は長い。この世に生まれ出たとき、産院のお医者さんと看護婦さん全員がわたし…

未来を感じさせるデザイン

新しい新幹線のデザインをJR東日本が発表したそうだ。 JR東日本のサイトによると、外装は、 カラーリングは「FASTECH360」の色彩をもとに、 ・上部色「常盤(ときわ)グリーン」 ・下部色「飛雲(ひうん)ホワイト」 ・車体中央の色帯「はやてピンク」 とし…

歩行中携帯メール禁止の法制化について

しかし、まあ、あの歩きながらのメールというのは危ない。たまに自転車乗りながらメールを見ている馬鹿までいる(なぜか得意気なのだ)。 あのさ、手前が間抜けで事故に遭うのは知ったことではないが、手前のまわりの人は悲痛ぜよ、と思う。轢いたほうだって…

間抜けな姿

間抜けな姿というのはいろいろある。 例えば、朝、ボケていて、ズボン(ええい、もうこれで行く)を履き忘れて通勤電車に乗ってしまうとか、ついでにパンツまで履き忘れてしまうとかも、かなり間抜けだ。しかし、幸いなことに、たいていは駅にたどり着く前に…

ズボン

ズボンのことをどう呼ぶか、というのは、わたしくらいの年代だとなかなかに難しい問題である。 ガキの時分、ズボンはズボンであった。20代前半くらいまでズボンで何も問題なかた。世界は平穏であった。 ところが、いつの頃からかパンツという呼び方がのして…