2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

リズムと翻訳

ご承知の通り、日本の古くからの詩歌のスタイルは、七音の句と五音の句をつなぐというものだ。短歌なら五七五七七、俳句なら五七五、都々逸なら七七七五、あるいは五七七七五である。 七五調というのは、慣れた人間には気持ちいいから、はびこっている。 短…

すいません、すいません。

シェー!クスピア - 「今日の嘘八百」 嘘七百七十五 謝るべきか、謝らぬべきか、それが問題だ……。 ▲

青春の発見

例によっての思いつきなのだが、江戸時代の物語、あるいは江戸時代から伝わる物語に、ほとんど“青春”的なものが見あたらないのはなぜだろうか(“青春”という言葉は古くさくて、ちょっと気恥ずかしいのだが、代わりになる言葉が見あたらない)。 まあ、例えば…

って何だと思います?

「○○って何だと思います?」という言い回しがあって、これをやられると、返答に困る。 「○○」のところにはいろいろ入る。仕事、家庭、家族、人生、宗教、政治、教育、広告、インターネット……等々、等々。 例えば、「稲本さん、ラーメンって何だと思います?…

碁の言葉

エー、落語のまくらで、「『碁将棋に凝ると、親の死に目に会えない』なんてェことを申しますが」なんてェことを申しますが、実にこの、大変なものでございますナ。 ……このまま、落語弁で続けてもいいのだが、永遠に本題に入れない気がするので、ここまでにし…

まとめにかかる

まとめにかかるのが好きな人というのがいて、例えば、「一億総ナントカ時代」などといきなり言い出して、こちらを驚かす。 試しに、Googleで「一億総」と検索して、出てきた言葉を並べてみよう。 一億総白痴化 一億総中流 一億総学力低下時代 一億総億万長者…

恥ずかしさと一万円札

わたしは恥ずかしがり屋で、何しろ、生まれたとき、産院の看護婦さんに抱き上げられただけで顔を真っ赤にしたというくらいだから、恥ずかしがり屋の頭に「生来の」と付けるべきだろう。 自慢になることではない。本当は、こうやって自分が恥ずかしがり屋だと…

高層マンションと掛け布団

電車に乗ると、最近、東京近辺のあちこちで高層マンションが建っているのに気づく。40階くらいある。 5、6年前はそれほどなかったと思うのだが、何か技術か制度のブレイクスルーでもあったのか、それとも、計画自体は以前からあり、金融危機や何かのあおりで…

赤めだか

昨日、気分転換に立川談春の「赤めだか」を開いたら、気分が転換しすぎて、半分以上読んでしまった。 夜中に目が覚め、寝つけないので、再び開いたら、ますます寝られなくなり、結局、最後まで読んでしまった。 なので、今、これを、寝不足特有の頭がじんじ…

惰眠

惰眠、ああ、そが甘き患いよ。 などと、フランス詩の日本語訳みたいな書き出しをしてしまったが、惰眠、いいものだと思う。 惰眠は、世間的にはあまり評判がよくない。それは「惰」の字を見ればわかる。 遊惰、惰弱、怠惰、惰性、怯惰と、「惰」のつく言葉に…

名前と大小

名前には、大小が付く場合がある。女性の場合は、たいてい、「小」のほうのようで、小梅、小春、小糸といった具合。 「小」のほうが可愛らしい感じがするからだろうか。 あの大柄な女優は、やはり、「小雪」だからいいのであって、あれが「大雪」では、今ほ…

〜万部突破

新聞広告を見ると、本の広告で「〜万部突破!」と記してあるものが多い。 昔からこの手の書き方はあると思うが、今ほどやたらとは書かなかったように思う。 映画の広告にもこれに類する惹句は多くて、「全米初登場観客動員数No.1!」とか、「公開3日間興行収…

私の夢

今日の話は落語の好きな人でないと通じにくいかもしれないが、お許しいただきたい。 浄瑠璃というのは、室町後期に物語に節をつけて語ったのが始まりで、江戸時代になっていろいろに発展していったらしい。 義太夫、常磐津、新内、清元、いずれも浄瑠璃の一…

芸は人なり

「森羅万象、是全て芸」であるからして、もちろん、芸人は人間ばかりではない。 人間でないんなら、なぜ芸「人」なのかという問いは、エーイ、うるさい。黙って聞きなさい。 エー、動物というのは、わかりやすいですね。 ナマケモノはぶら下がっていることで…

森羅万象、是全て芸

突然ではあるが、「森羅万象、是全て芸」という天啓を得た。 2行目にして早くも話が逸れるが、わたしはしばしば天啓を得る。 ただ、天のほうでは正しく啓示を送ってくれているようなのだが、わたしの脳に到達した段階で、信号処理を間違ってしまう。啓示内容…

事件ですか、事件ですか

ショルダーと呼ぶのだろうか、テレビのニュースショーやワイドショーで、映像のひとすみに見出しのようなものが付くことがある。 「有名料亭の元板前 内部告発!」とか、「衝撃! マグロが食卓から消える日」とか、まあ、そんなやつ。 ショッキングな話とか…

テレビのニュースショー

ほとんどテレビを見ない生活をしている。視聴時間ゼロという週もあると思う。 テレビを見ていた頃に比べて、何となく楽に過ごせる感じがする。 ニュースを何で得ているかというと、主に新聞で、まるで昭和三十年代の人みたいな暮らしぶりである。 新聞も、論…

Amazoneもまだまだだな

……という文章を書いたら、下(↓)のAmazoneの広告欄に載った商品。 ブログの文章内の言葉をAmazoneのサーバが分析して、自動でオススメ商品を載せているのだが(アクセスするたびに変わると思います)、やはり、「ジェット」を誤解したらしい。 だから、そう…

ポール、ポール

わたしはポール・マッカートニーが結構、好きで、聞いていると、確かに天才メロディ・メーカーだなあ、と思う。 一方で、歌詞があまりにシンプルなので、笑ってしまうことがある。 例えば、ビートルズ時代に作った曲、「ハロー・グッドバイ」。 「君はさよな…

挿絵の表情

少し前に、水滸伝の挿絵の中の人々がやたらとウレシそうでグーだ、という話を書いた(id:yinamoto:20080530)。 例えば、物語の冒頭近く。好漢・史進が剣をブン回して大立ち回り。 首を刎ねられた人まで描かれているのに、絵の中の人物の表情はというと、 「…

皮肉

狙ったわけでもなかろうけれども。 - 「今日の嘘八百」 嘘七百五十八 滅菌・消毒タイプの石鹸を使ったら、わたしが消えてしまいました。 ▲

藤岡さんの名前

藤岡弘、という人は発想と行動が面白くて、例えば、だいぶん昔に藤岡弘から、藤岡弘、に改名した。 カギカッコ付けないと何だかよくわかりませんね。「藤岡弘、」が現在の芸名という意味である(改名したのは、モーニング・なんとか。よりはるかに先である)…

東京落語の言葉

相変わらず、ちょぼちょぼと落語の会に行っているが、この頃は東京落語より上方落語のほうが好ましい気がしてきている。 東京落語も、いろいろな人が頑張っているのはわかるが、どうもふわふわと落ち着かないというか、腰の座りの悪い印象を受ける(頑張って…

東京の話し言葉

今の東京近辺で話されている言葉というのは、何なんだろうなあ、と思う。 東京弁と呼ぶと、古くからある(絶滅しかけている)東京言葉に悪いし、標準語と呼んでいいかというと、また違う。 例えば、「〜じゃん」という言い方があるが、あれは確か、元々は横…

和語と漢語

毎度書くけれども、役所方面の、名称のひらがな表記はいい加減よしにしたらどうかと思う。 「ねんきん特別便」とか、粘菌を思わせていけない。 親しみやすく、というつもりなんだろうが(その正体は媚びかもしれぬ)、幼稚に見えるだけである。 「年金特別便…

ボー・ディドリー!

今日はおれの愛情の押しつけになると思う(今日は、「おれ」だ)。 ボー・ディドリーが亡くなった。 1950年代にチャック・ベリーやリトル・リチャードらとともにロックンロールを創始し、多くのミュージシャンに影響を与えた――とまあ、歴史上はそういうこと…

腕組みする人々

相変わらず唐突な話題で申し訳ないが、腕組みというのは、一般には物を考えるときのポーズと考えられている。あれはちょっと違うんではないか。 いやまあ、物を考えるときも腕組みするが、大元は自分の殻を作るということのように思う。 有名な待ち合わせ場…

この人を見よ

阿川佐和子著「スープ・オペラ」 と、こう眺めていて、萎えてくる心理というのは何なのだろうか。 駄洒落(なのか?)というのはあまり説明するものではないのかもしれないが、えーとですね、テレビ番組に「ソープ・オペラ」というジャンルがありまして、ア…