和語と漢語

 毎度書くけれども、役所方面の、名称のひらがな表記はいい加減よしにしたらどうかと思う。


ねんきん特別便」とか、粘菌を思わせていけない。
 親しみやすく、というつもりなんだろうが(その正体は媚びかもしれぬ)、幼稚に見えるだけである。


「年金特別便」では目を引かないというなら、「ザ・年金スペシャル」とでもしたらどうか(火に油を注ぐか)。


 あの宇宙に飛ばした実験棟の「きぼう」というのも、幼稚な感じがしていけない。小学校の卒業文集じゃないんだからさー、と思う。


 一方で、気象衛星「ひまわり」なんていうのはあまり幼稚な感じがしない。和語と漢語の違いだろう。


 和語にとって漢字は元々当て字なのに対し、漢語は漢字とともに使うことが前提のせいもあるのだろう。
 あるいは、漢語は堅苦しい、政治や思想方面(仏典とか儒学とか)でよく使われてきたので、ひらがな表記にすると、ギャップが滑稽に見えるのかもしれない。


 和語と漢語、同じ日本語として使いながら、しかも普段はそんなに意識して使い分けていないのに、実は感覚的違いがビシッとある。日本語の多重言語感覚というのは、なかなかに興味深い(例によって、外国語のことなんてわかんないんだが)。


 まあ、ともあれ、役所の無神経な言語感覚だ、問題は。


こくぜいちょうかぜいぶかぜいそうかつかかぜいきかくかん


 とかね、


おおわだまちすーぱーじむしょないけんじゅうしようごうとうさつじんじけんとくべつそうさほんぶ


 とか、やっぱり、幼稚に見えるでしょうが。

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「今日の嘘八百」


嘘七百五十五 政府は公式には認めていないが、監視衛星「おまわり」というのが飛んでいるそうだ。