2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

装置としての宗教

いきなり何だが、キリスト教の教会というのは装置としてなかなかよくできていると思うのである。 まず陰影がはっきりしていて、暗い空間に窓からだけ光がつよく差し込む。啓示とまでは言わないが、天あるいは神からの恩寵なり働きかけが光を通じて感じられる…

ラテンアメリカ小説遍歴 その2

昨年末以来、ラテンアメリカの小説を読み続けている。1月末に読んだ本を紹介したが、その後に読んだ本を簡単に紹介したい。 前回の記事はこちら。 yinamoto.hatenablog.com まずはロベルト・ボラーニョの「野生の探偵たち」。 野生の探偵たち〈上〉 (エクス…

スペクタクルな法華経

「サンスクリット原典現代語訳 法華経」を読んだ。 サンスクリット原典現代語訳 法華経(上) 作者:植木 雅俊 岩波書店 Amazon サンスクリット原典現代語訳 法華経(下) 作者:植木 雅俊 岩波書店 Amazon 「最高の経典」だという評価は聞いていて、どんなもんだ…

ラテンアメリカの作家と移住

昨年末以来、ラテンアメリカの小説をあれやこれやと読み続けている。 作家たちのプロフィールを読むと、いずれも国外移住がとても多いことに気づく。たとえば、ガルシア=マルケスの場合: コロンビア(国内を転々)→イタリア(ローマ)→フランス(パリ)→コ…