テレビのニュースショー

 ほとんどテレビを見ない生活をしている。視聴時間ゼロという週もあると思う。
 テレビを見ていた頃に比べて、何となく楽に過ごせる感じがする。


 ニュースを何で得ているかというと、主に新聞で、まるで昭和三十年代の人みたいな暮らしぶりである。


 新聞も、論説欄はあまり読まないので、インターネットのニュースサイトでも代用できるのだろう。
 ただ、ニュースサイトでは、自分が普段気にしていないジャンルのニュースに出くわさないし、それに、何となく気ぜわしい気分になるのが、よろしくない。


 いや、別に、新聞の肩持っているわけではないんだが。


 テレビのニュースをなぜ見ないかというと、1つには断片的すぎる、ということがある。


 ニュースショー(ショーである)の場合、1つのニュースに割ける時間はトップニュースで10分、後はせいぜい3〜5分程度だろう。
 映像1本は数十秒から1分程度。民放では、視聴者を飽きさせないためか、煽るような編集効果やBGM、ナレーションが入っていることも多い。



 とかね。


 時折、カミカミの記者が出てきて、「あ、スイマセン。ハイ。エー、今のところ、動きはないようです」などと、現場の中継が入ることもある。容疑者を護送するパトカーを見たってしょうがないと思うのだが(いや、それこそニュースの楽しみなのかな……)。


 後は、専門家が数十秒から、長くてもQ&A形式で数分それらしい意見を述べ(会議や講義のことを思い出してもらえれば、異常な短さだとわかるだろう)、キャスターが感想みたいなことを述べる。


 そんな程度のもので、こっちは何となく「知った」ような気になってしまう。距離を置いて見ると、随分な話である。


 で、ここからが困るのだが、わたしのような愚か者が断片的な映像を見ると、妙に感情が刺激されてしまうのだ。
 そうして、これはぜひとも意見(のようなもの)を述べねばならぬ、書かねばの娘だ、などという気になってしまい、このページにダバダバ書く。


 後で読み返すと、薄っぺらく、見当違いで、しかもしばしば間違っており、恥ずかしくなる。


 まんまとノセられてしまっているわけで、いやはや、馬鹿が勘違いすると、ロクなことをしない。


 そんなこんなで、何かの拍子にニュースショーを見るときは、勘違いしまいと、斜に構えて見るようにしている。



「む。ニュースだな」


 別にテレビを見なくても、映像で見たほうがよさそうなニュースがあれば、NHKのサイトで見られる。それで、少なくともわたしの場合は用が済んでいる。


 ただ、困ることが全くないというわけでもない。例えば、日曜日の秋葉原の事件、翌朝の新聞が休刊だったせいで、月曜日の昼頃まで知らなかった。


 偶然なのだが、当日夜にレンタルショップで映画の「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を借りた。
 レジに持っていくと、バイトの女の子が一瞬、ピクッとした。変だな、とは思ったのだ。

                  • -


「今日の嘘八百」


嘘七百六十一 ある洋梨タイプの中年男性が、いちかばちかスピード社製の水着を着用してみたところ、言語を絶する体型になったという。