興味のないことを叩く

 最近、またコロナの感染者が増えてきて、世の中の不安がじわじわと高まってきている。

 ホストクラブで感染が判明して、ホストを叩く風潮ができているらしい。この手の袋叩きにする相手というのは時々で変わって、緊急事態宣言が出る前後にはパチンコ屋がやたらと叩かれていた。ライブハウスが叩かれた時期もある。

 人間、関心がなかったり、やらないことには手厳しくなりがちで、たとえば、おれは山に登らないから、登山で遭難したとか、救助隊が出たという話を聞くと「わざわざそんなとこにいかんでも」「人に迷惑かけてまでやらんでも」と考えてしまう。理由はわからないが、そこには憎しみの感情が混じっている。

 おれにはわからない魅力を登山の過程で感じているんだろうとは思う。こういうのはお互い、わからないことはわからないのだから、せいぜい自分の好きなこと、やらずにいられないことに置き換えて想像してみるくらいしかできんのだろう。

 人には攻撃する対象を探してしまうという習性もある。相手を攻撃する正当な理由(感染防止とか、人に迷惑をかけるとか)が自分側にあると、かさにかかって攻め立てるんだろう。ヤダヤダ。しかし、そういう心の動きはおれの中にもある。