内臓品質

 おれは臓器提供者の意思表示をしていて、そのココロはどうせ死んだら燃やすんだから内臓なんていらないヨ、というだけのことである。おれが事故にあうかなんかして助からないとなったら、勝手に持ってけ、ドロボー、てなものだ。

 しかしまあ、ひとつ問題なのは、内臓の品質をまったく保証できないことで、もらった人(つまり、移植された人)も後で困るんじゃなかろうか。「こんな内臓ならもらうんじゃなかった。前よりダメじゃん」と思われたら、心苦しい。

 こちらはそのときもうくたばっているんだから、関係ないといえば関係ないが、いささか心残りではある。将来、内臓を人にあげることになるのか、どういう人がもらうのかわからないが、先に謝っておく。申し訳ない。きっと運が悪かったのです。