お客様は神様ですが

 ネットで拾ったのでどこまで本当なのかわからないが、顧客対応をしている人が相手から「おまえ、客から金をとるつもりか!?」と凄まれたという話がある。思わず笑ってしまった。

 住んだことがないので外国でどうなのかはわからないが、少なくとも日本では「お客様はとにかく偉い」という考え方が随分強い。その立場を笠に着て、難癖、無理難題を押し付ける客もいる。

 お客様はとにかく偉い、という考え方は三波春夫の「お客様は神様です」というフレーズにぎゅっと凝縮されている。三波春夫がそういう考え方を広めたというよりも、もともとあった考え方を三波春夫が「お客様は神様です」という言葉で見事に言い表したということなんだろう。もっとも、三波春夫自身は、客が偉い、ということを言いたかったわけではなく、自分が歌う時は目の前の客を神として曲を捧げる、という意味で言ったんだそうだ。ホントかなあ。脱線した。

 買いもしないのに店員に無理難題、言いがかりをつけるやつが「おれは客だぞ!」と威張ったら、店長が出てきて、「あなたのような人はお客さんではありません」とつっぱねたという話もある。結構な話である。

 おれは客だからと無闇にエラそうにする人間が嫌いだ。もしかすると、お客様は神様なのかもしれないが、その中には貧乏神や疫病神もいると思うのだ。