保守

 安倍首相が、保守がどうたらこうたらと言い出したものだから(正確には首相になるちょっと前)、保守とは何か、という話がよく出てくるようになった。
 でもって、いろんな人がいろんなことを言うので、どんどんわかりにくくなっている気がする。


 以前は、保守の反対は革新だったのだけれども、保守政党である自民党小泉首相(当時)が、改革だ、などと言い出したので、わからなくなった。そのうえ、民主党が便乗して、いやいやうちこそが改革派だ、などと主張したので、もっとわからなくなった。


 かつての社会党革新政党とされていたけど、あれも結構、馴れ合い好きで保守的だったよな、という話もあって、ますますもってわからない。


 でもって、目新しさとカッチョよさげなところもあってのことだろう、リベラル、という言葉もよく目にするようになった。
 ところが、アメリカの保守・リベラルと、ヨーロッパの保守・リベラルはかなり違うのだ、場合によっては正反対だ、という話も出てきた。あと社民主義ってのもあるぞ、なんか市場経済重視ってのもあるよね、個人主義とかさ。じゃあ、中国共産党の保守派ってのは何なのだ、ソ連共産党内にも保守派ってのがあったよなあ、ああいうのは体制派というんじゃないか、じゃあ、反体制派が勝って体制を使えるようになったらどっちがどうなのだ、リベリアあたりではそのへんどうなってるのだ、と、ますますもってわからない。


 しかも、相変わらずの右だ左だという分け方もあって、混乱はひどいものだ。ええと、たぶん、正確にはわたしの頭の中の混乱が。