共産党からのおたより

 ゴトン、と音がして目が覚めた。時計を見ると、朝の5時前である。

 うっせーなー、と思いながら、再び眠りに落ちた。

 起きてから見てみると、ドアの郵便受け口のところに共産党のパンフレットが落ちている。

 おれは共産党のチラシやパンフレットの類を見るのが割と好きで、そのココロは独善的な正義感や観念的なリクツが面白いからだ。

 今回のパンフレットを見ると、共産党顔としかいいようのないオバハン、じゃないか、えー、年配のご婦人が福島瑞穂くらいしか着る勇気のないような派手な色のスーツで映っている。都議会議員だそうだ。病院予算、健康保険料、医療費、給食、図書館、ペットなどなどにお金を使え、と書いている。それはまあ、そうできたら結構だが、どこからお金持ってくるのだろうか。例の大企業にお金吐き出させる、という寸法か。共産党も結局、大企業に頼らないとやってけないんだよなー、などと内心皮肉な考えを抱いて、いや、人間ができていないくて実にどうも申し訳ない。

 パンフレットの片隅に「日本共産党はどんな政党なの?」という欄があって、「権力に忖度なし」「中国政府を厳しく批判」などと書いてある。一緒にされたくない、というところか。最後に「資本主義の次の未来社会をめざす党」とあって、「いま、マルクス資本論に注目が。」などと書いてある。まあ、人新世がどうのこうのという本が出たりして、そのことだろうか。あの手の本は経済がやばくなるたびに周期的に出てくる印象がある。以前に共産党の綱領を読んでみたら、「生産手段の社会化」などと書いてあって、驚愕した覚えがある。資本論に則って成功した社会を、おれはひとつも知らない。

 それにしても、朝5時前にこういうパンフレットを各戸に落としているのはどういう人なんだろうか。今でも細胞と呼ばれるような立ち位置の人がいて、朝早く起きてガンバってるのだろうか。

 どうでもいいが、こっちはただただ少しでも眠りたいだけなのだ。