「汗」という字と「汁」という字は、横棒一本あるかないかの違いなのだが、だいぶん、印象が違う。
たとえば、よく汗っかきの人がいるが、
汁っかき
という人がいたら、まわりから、相当、気味悪がられると思う。
「いやあ、会議でぼーっとしてたら急に振られて、背中に冷や汁かきました」
なんていうのもヤなものだ。
あるいは、
ジンギス汁
と、横棒一本書き忘れたら、朝青龍に怒濤の突っ張りをかまされるんじゃなかろうか。知らんけど。
もっとも、「ジンギス汗」を「じんぎすあせ」と読んでしまう人もいそうだ。そっちのほうには、怒濤の突っ張りに、のど輪まで付いてくるかもしれない(えー、中高生のミナサン。「じんぎすかん」と読むのですよ)。
高校野球で、
手に汁握る熱戦
の末、
全員の汁の結晶である深紅の大優勝旗を手にした。
なんていうのもヤなものである。いったい、何の汁なんだ。