回転寿司を最初に思いついた人は凄いなあ、と思う。
通常の寿司屋だと、寿司職人は客の注文を待っている時間が案外、長い。何人もの注文が重なるときもあれば、手持ちぶさたになるときもある。
回転寿司の場合は、客の注文に関係なく、どんどん握っていけばいいわけで、効率がいい。
客のほうも目の前に寿司が来れば、人間の哀しいサガで、どんどん食べてしまう。結果、回転が早くなる(えーと、ベルトの回転がじゃなくて、客の回転がだよ)。
回転を早くして客ひとりあたりの寿司職人の数字を減らし、ネタもまとめて買い付けるようにすれば、コストは安くできる。
回転寿司は、寿司屋で茶を飲みつつ時折寿司をつまんで時間を過ごす、なんていう悠長さを、効率でぶっ飛ばしたわけだ。
何となく人との交わりを避ける、という現代の風潮にも合っている。
回転寿司は今でこそ当たり前になったが、最初に登場したときは随分、奇異に見えたろう。
そう思って、調べてみると、大阪で始まったのだそうだ。
何となく納得する。
風俗産業もそうだが、この手の斬新で奇異な商売は大阪で始まることが多い。