随筆

 ここに書いているタワゴトは、日記とは称しているものの、随筆と呼んだほうが近いかもしれない。


 随筆というと、何やら風韻がある。
 寒風吹きすさぶ中、高く鳴くモズの声にしみじみと感じ入るとか、信濃路を歩みつつ来し方行く末を眺め見つつ去りし人々にしばし思いを馳せつつという、つつ的態度に浸るとか、まあ、そんな美しい日本の私である。


 一方、わたしの書くことには風韻のかけらもない。バカが感じ入ったところでバカはバカであり、わざわざ信濃路を歩みにいくのも面倒くさいからだ。


 しかし、いつも言うように、ここのタワゴトは出たとこ勝負で書いている。


 書く前に「こんなことについて書くか」くらいは頭にあるが、書き出したらどこへ行くんだか、自分でもわからない。
 筆に随(したが)うという意味では、ほぼその通りで、だから、随筆である。まあ、実際にはキーボードで打っているから随キーかもしらんが。


 出たとこ勝負で書いているのには、理由がある。


 まず、わたしも仕事してオアシをカセガネバの娘であるからして、想を練るほどの時間がない。
 ダバダバダバ、と書いて、あらよっ、とブログの編集ページにコピーペーストして、さっさと逃げる、というのがいつもの手口である。


 もうひとつは、出たとこ勝負でしか生まれ得ない勢いというものがあるからで、ある種の高揚感があるわけですね、ええ。タワゴトはタワゴトなりに。


 ま、出たとこ勝負の出たとこで「あー、負けちゃったー」ってこともありますが。あははは。ほっといてくれ。