2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

シリナデ男

まひとつ、聞いておくんない。 あるところへ音楽を聴きにいったわけだ。 斜め前に、若い、20代前半くらいのカップルが座っていた。 最初からイヤな予感はしていたのだ。 男が女にしなだれかかって、女の腰に手をまわしている。女もまんざらではなさそうだ。 …

襲いかかる手

最後に、絵についての感想を少し。 砕けようとしている波を高速で撮影すると、波の先は実際、こんなふうに見えるのだそうだ。 おそらく、北斎は波をじーっと見て、その瞬間を記憶なり、メモなりにとどめたのだと思う。 しかし、わたしは、だから北斎は偉い、…

彫り師

しかしまあ、感心するのは、描いた北斎の観察眼と構想力ももちろんだが、これを版木に彫ったやつがいるということである。 浮世絵は、確か版木に下絵を貼り付け、それを彫り師が彫っていくのだったと思う。 この波のカーブ、飛び散る飛沫のひとつひとつを彫…

富嶽三十六景 神奈川沖浪裏

あー、葛飾亜北斎である。 ひさしぶりに「稲本喜則名画の部屋」を更新した。 今回は葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」である。 ・稲本喜則名画の部屋 - 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 今回の模写は大変だった。 今までは3時間とか、せいぜい1日でさっさ…

いかりや長介という人

あるいは、日本画の墨絵と、西洋の油絵で考えてみてもよい。 墨絵は即興、出たとこ勝負の度が強い。 バッ。ヒュッ、ヒュッ。チョン、チョン、チョン、で絵が成り立ってしまったりする。そうして、筆の運びの勢いで人を「ンン〜〜」なんてふうに唸らせる。 キ…

練り上げたものと出たとこ勝負と

ここから先は好き嫌いの話も混じってくるけれども、じゃあ、ドリフターズのように念入りに作ったものが面白いかというと、必ずしもそうとは限らない。 念入りに作ったものは、次はどうして、その次はどうやって、と段取りが決まっているから、どうしたって勢…

ドリフターズのコントづくり

昨日の続き。 放送作家の高田文夫は、若い頃、半年ほど、ドリフターズの「8時だヨ! 全員集合」のコント作りをしていたそうだ。この話がなかなか面白い。 行くと一番上座にいかりや長介さんがいて、他にはドリフのメンバーが全員とディレクターとか作家の前…

いじめとバチ

いじめ問題について、最近読んだ中で一番整理されていて、得心の行った文章。 ・3ToheiLog - 「いじめ」の耐えられない軽さ:問題編「罰とバチの違い」 何かの芽がありそう。 では、陰湿の度が増しているように見えるのはなぜだろうか。 ▲一番上の日記へ - …

ドリフターズの不思議

ちょっと不思議に思うのだが、彼らの笑いのスタイルというのは、どこから来たのだろうか。 彼らは元々、コミックバンドとして出発した。 兄貴分にはクレージー・キャッツがいる。志村けんを除いて、メンバーの名付け親は、クレージー・キャッツのハナ肇であ…

ドリフターズとわたし

わたしは富山で生まれ育って、高校までいたのだが、当時、富山には民放がフジテレビ系列と日本テレビ系列しかなかった。 だから、高校までTBSの番組はほとんど見たことがない。 そう言うと、同世代の東京出身者は、じゃあ、ザ・ベストテンやドリフの全員集合…

警備員とガキめらとアヤシの男

家で仕事をすることが多く、飯を食いに出たり、人生が突然嫌になって散歩したりと、日中、よく町をふらふらする。 周辺住民からすれば、アヤシの男であるかもしれない。 町には進学塾がある。 いくつかのビルに入っていて、看板・サインの類にもお金がかかっ…

次の見出し。 「ガキの作文」に文学賞を与える亡国の兆し 今の文学賞に、亡国へ導くほどの力があるとは知らなかった。 ミセスのかくれた味 うまい味 女性誌「ミセス」の記事なのだが、見出しだけ見るとドキッとする。 あ、わたしがシケベなだけですか。シィ…

ライフスタイル

新聞を見ていて、いくつか目にとまった雑誌広告の見出し。 静かに呼吸する秋のロハスミュージック16曲 ロハスとは、LOHAS(Lifestyle Of Health And Sustainability)。 訳すと、「健康で持続可能な生活様式」だが、この手のものを好む人達は「生活様式」で…

いじめについて

長々とつまらない話を書いてきたのは、いじめについて考えていたからだ。 子供達のいじめ自体は昔からある。 時々、衝撃的な事件があると、わっとマスコミで盛り上がる。テレビではあれやこれやと討論番組が放送される。そうして、しばらくすると、くすぶっ…

犬の糞の文化

「文化」という言葉はいろいろな意味に使われるので、時々、混乱を招くようだ。 まず、「文明開化」の略としての「文化」と、もう少し精神生活(大仰な言い方だけれども、ま、考えたり、感じたりして生きております、ということ)の関係する「文化」がある。…

バッハ、日本に生まる

J. S. バッハ(1685 - 1750)は宗教に関する音楽を数多く残している。 教会で職を得たということもあろうし、本人の宗教心もあったのだろう。 教会カンタータと呼ばれる声楽曲を数多く残しており、これは元々(あるいは、今でもか?)、礼拝の際に演奏するも…

葛藤

生きているといろいろな葛藤に襲われるものだ。 今日、問題にしたいのは、電車の座席における「スーツの上着の裾問題」である。 座席がひとり分空いている。そこに隣のオジサンのスーツの裾が広がっている。さて、どうすればよいか。 わたしはいつも思い悩ん…

同じ音楽という意見

時々、「同じ音楽じゃないか。ジャンルに分ける必要なんてない」というような意見を言う人がいる。 あまり同意できない。 だって、CDを買いに行くとき、不便じゃないか。 というのは冗談だが、それぞれの音楽にはそれぞれの流れというものがあり、時折、入り…

今、思い当たったのだが

今、思い当たったのだが、クラシックを毛嫌いする人が多いのは、クラシック・ファンの言っていることが、さっぱりわからないからではないか(「ブルックナーの3番あたりではないか」とか言われてもね)。

クラシックを嫌う人

父とは今、ごく普通に話しているが、三十代の前半までは何となく気が置ける感じがしたものだ。クラシックも聴けるようになったことと関係があるのかどうか。 今でも別にクラシックが好きというわけではない。 クラシックの中にも、いいと感じるものはある、…

余はいかにしてクラシックを嫌いになりしか〜その2

「クラシックこそ、正しい音楽である」と信じ込んでいた、鼻持ちならないガキのわたしであったが、小学校6年生のとき、転機が訪れた。 学校から帰ってテレビをつけると、何やら愉快な格好をした楽団が陽気な音楽をプレイしていたのだ。 そのときは知らなかっ…

余はいかにしてクラシックを嫌いになりしか〜その1

長い間、クラシックとはほとんど無縁で来たけれども、実はガキの頃はよく耳にしていたのだ。 父がクラシックや映画音楽が好きで、家にはその手のレコードが結構、あった。 もっともクラシックといっても、「カルメン」とか「新世界」(大阪の地名ではないよ…