ドリフターズとわたし

 わたしは富山で生まれ育って、高校までいたのだが、当時、富山には民放がフジテレビ系列と日本テレビ系列しかなかった。


 だから、高校までTBSの番組はほとんど見たことがない。


 そう言うと、同世代の東京出身者は、じゃあ、ザ・ベストテンやドリフの全員集合を見たことがないのか、と驚く。
 その通り。見たことがない。


 正確には、大阪の親戚の家で、全員集合を1回か2回、見た覚えがある。ザ・ベストテンは一度もない。いや、どこかで1回くらいあったかな。


 わたしの世代には、ドリフターズに強烈なトラウマ、とは言わないか。どう呼べばいいのかわからないが、幼児期から少年期にドリフターズの笑いにノされた人が多い。


 例えば、Wikipediaの「ザ・ドリフターズ」の項を見ると、これを書いた人達の愛情と、一種異様な熱気すら感じるのである。


Wikipedia - ザ・ドリフターズ


 わたしには、ドリフターズに対する、こういう熱はない。


 フジテレビ系列で月に一度か、2ヶ月に一度、ドリフターズのスタジオ収録の番組があった。それは楽しみに見ていたが、ノされたというほどではなかった。
 そのうち、ドリフターズの泥くささがだんだん嫌になってきて(煮すぎた柳川鍋みたいである)、見なくなった。彼らのピークが過ぎた、ということも関係していたのかもしれない。