あー、葛飾亜北斎である。
ひさしぶりに「稲本喜則名画の部屋」を更新した。
今回は葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」である。
今回の模写は大変だった。
今までは3時間とか、せいぜい1日でさっさと模写していたのだが、この絵を描き始めたのが確か6月だ。製作期間半年の大作、ということになる。
といっても、1、2ヶ月放ったらかしにしておいたり、休日に1時間くらいやってやめたり、とまあ、そんな調子だったから、実際にどのくらい時間がかかったか、自分でもよくわからない。
しかし、今までとは段違いに手間がかかったのは確かだ。
何が大変って、やっぱり、波である。細かい! 入り組んでいる! ややこしい!
実は最初はナメていたのだ。版画だからベタ塗りしていけば済むだろう、と。案外、早く描き終わるかもしらん。
とんでもない勘違いだった。砕ける波の先っぽのひとつひとつにカーブがあり、しかも白い部分と青みがかった部分と黒線がある。黒線は枠線の意味もあれば、影を表現している場合もある。
もの凄く描き込まれた絵である。そこのところの大変さを、見て気づかないのが、絵心のないシロウトのアマチシゲルなところである。