2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

歴史のif

歴史にifは禁物だ、と言われるが、もし1945年2月のヤルタ会談と、その後の米ソ交渉で、ソ連が強硬な主張に出、アメリカが大きく譲歩していたら、と、わたしは時々考える。 「南はアメリカ、北はソ連」という形で「裏日本人民共和国」が誕生していたのであろ…

裏に生きる

いったいに表日本の人間は、裏日本の人間の抱えるコンプレックスに対して無頓着だ。 例えば、かのベストセラーにして、最近、映画がリメイクされた作品にしても、原作者が日本海側出身者なら、 「裏日本沈没」 となったかもしれないのである。表日本まで巻き…

裏に育つ

わたしは北陸で生まれ育ったのだが、このことはわたしのコンプレックスのひとつとして今も根強く働いている。 簡単に言えば、太平洋側に対する羨望と妬みである。わたしはすでに太平洋側で人生の半分以上を過ごしているのだが、このコンプレックスはぬぐえそ…

変人伝

大数学者は、思考に没頭するせいか、あるいは凡人とは異なった物を見ているからか、そもそも頭の構造が違っているのか、変わった人が多いようである。 アルキメデス Arkhimedes 287?〜212BC 浮力の原理を入浴中に発見して、感激して裸で外へ飛び出した、とい…

数学の歴史

森 毅の「数学の歴史」(講談社学術文庫、ISBN:4061588443)を読む。 これほど内容を理解せずに一冊読み通した本も珍しい。 例えば、 関数族については、収束概念の分析をすることは、表面的にはドイツ解析学の論理主義的伝統の継承ではあるが、ルベーグの積…

3億円の使い方

では、今、宝くじで3億円当たったら、どうするか。 家を建てるとか、貯金するとか(銀行のシンキング・ジャー、思う壺である)、人によっていろいろだろうが、どうせ想像するだけなら、実利的な使い方より、なるたけバカバカしい使い方を考えたほうが面白い…

くじ

「もし宝くじに当たったら、どうするか?」なんていう話題が、よくある。 そこらは今も昔も変わらないようで、落語の「宿屋の富」や「富久」では、富くじの札をつく(抽選をする)神社で、有象無象(うぞうむぞう)が当たったらどうする、という話題で盛り上…

高飛び

しばし、高飛び。 生きていたら、月曜ですかねえ、復帰は。 ▲一番上の日記へ - 「今日の嘘八百」 嘘二百五十二 ナポレオンの有名な絵は、愛馬が発情した瞬間を捉えている。

伝統と学校

――と、ここまで書いてきたけれども、やはり「伝統」とおおざっぱにくくると、語りにくい。 例えば、「小唄のよさを教える」とか、「壺のよさを教える」とか、できるものならやればよいと思う。 そのよさが伝われば、結果として、小唄好き、壺好きが生まれる…

伝統を愛する心

学校教育の話になると、よく「伝統を愛する心を育てる」とか、「伝統を尊ぶ心を育む」とか、そんなフレーズが出てくる。 そういうフレーズに出くわすと、わたしは少々、ギワクのマナザシで眺めてしまうのである。 そもそも、「伝統ってナンジャラホイ」とい…

過去と美しさ

昔の日本は美しかった、というようなことを言ったり書いたりする人がいるけれども、さて、どうなのだろう。 例えば、夏目漱石の「坊っちゃん」を読むと、坊っちゃんの狷介な物の見方を割り引いても、松山の中学生のいたずらや口の利きよう、同僚の先生達の陰…

説明書き派その他

絵に付された説明書きを熱心に読んで、「これ、死ぬ直前に描いた絵なんですって」などと連れに教える説明書き派の人々がいる。 まあ、オバチャンに限らず、説明書きを熱心に読む人、というのは多い。場合によっては、絵を見ている時間より、説明書きを読んで…

展覧会のオバチャン

美術館、展覧会に行ったときのわたしの楽しみのひとつに、オバチャンの感想を聞く、というのがある。 まわりの人々の会話を盗み聞くわけだが、経験上、オバチャンの感想が一番面白い。 二番目に面白いのが、若い、付き合い始めて間もないか、まだ付き合うま…

空気

わたしは、日本が、戦前・戦中のような軍国主義に向かうことは、少なくとも今のところ、ないと思っている。 しかし、別の形の、引くに引けない状況に追い込まれる可能性はある。 集団で感情的になること、ヒステリックになること、気に入らぬ相手にレッテル…

昭和遊撃隊

黒羽清隆が、「太平洋戦争の歴史」(講談社学術文庫、ISBN:4061596691)の中の、自分の少年時代を回顧する章で、「昭和遊撃隊」という小説について触れている。 長くなるが、引用する。 『昭和遊撃隊』は、日本民族とその先祖をひとしくする「南海・八島王国…

亜細亜の曙

小学生の頃に、山中峯太郎の「亜細亜の曙」という戦前の少年向け冒険小説を読んだことがある。 家にあったのか、自分で買った(買ってもらった)のかは覚えていない。 私の父は戦前生まれで、終戦のときに10歳だから、あるいは父が懐かしくて買ったのを、わ…

桜前線

前線といえば、戦争と気象の他に、桜前線というのもメジャーだ。 戦争や気象の前線は押したり引いたり、前へ出たり下がったりするが、桜前線は南から北へと上がる一方である。 これはもう、進め進めの決死隊であって、退却は許されない。 なるほど、それも道…

今日の戦場

ここのところ、東京近辺はずっと天気が悪い。 どうやら、前線が停滞しているらしい。 調べたわけではないが、「前線」という言い方は、戦争の「前線」から来ているのだろう。 戦場で敵味方が激突するラインからの連想だと思う。実際、気象のほうの前線も、歩…

そういう方向で

会社の会議に出席して、こういうセリフを聞いたことのある人は多いんではないか。 「では、そういう方向で進めてみますか」 結論のようでもあり、逃げ道を用意しているようでもあり、日本語の会話に多い単なるぼかす表現のようでもあり、反対しそうな誰かの…

戦術の綾

野球に慣れている人なら、0-1で負けていて1アウト2塁3塁という状況を見れば、すぐにプレーの選択枝が思い浮かぶ。 そうやって、戦術、選手の動きを予想して、実際のプレーと引き比べるのが楽しい。 逆に言うと、ルールさえわかっていれば球技を見て楽しめる…

野球には注意すべし

イギリス起源とアメリカ起源の球技を比べると、アメリカ起源のほうがルールがややこしい。 野球、アメフトはその最たるものだ。 また、野球の三振、フォアボール、3アウト、アメフトの4thダウン、バレーボールの3タッチと、プレーの数を制限するのも、アメリ…

球技のルール

国際的に人気のある球技というのは、ほとんどがイギリス起源か、アメリカ起源だ。 サッカー、ラグビー、テニス、ゴルフ、卓球はイギリス起源。 野球、アメフト、バスケットボール、バレーボールはアメリカ起源だ。 例外的にハンドボールは北欧かドイツ起源説…

ゼーカー

風邪を引いた。 ちょっと気温が下がると、律儀に風邪を引く。まるで人間寒暖計である。 1年の3分の1は風邪を引いている気がする。 そもそも、わたしは摂氏20度〜25度の間でしか生存できず、飼育の難しい熱帯魚みたいなものである。 もっとも、症状は大したこ…

戦後最強のブラックジョーク

この日記でも何度か書いたが、わたしが思う戦後最強のブラックジョークは、中曽根康弘氏が作った。 総理大臣時代、広島の原爆病院を訪問した中曽根氏は、被爆の後遺症に苦しむ人々に向かって、言ってのけた。「病は気からと申します」。 戦後政治の総決算。…

ブラックジョーク

ブラックジョークというのは、毒を盛った(持った、と書こうと思ったのだが、こう変換された。こっちの書き方のほうが面白い)笑いのことだ。 死をはじめとするタブーを一時的に破って、笑かす。 以下、少々、リクツっぽくなるが、諦めていただきたい。 笑い…