3億円の使い方

 では、今、宝くじで3億円当たったら、どうするか。


 家を建てるとか、貯金するとか(銀行のシンキング・ジャー、思う壺である)、人によっていろいろだろうが、どうせ想像するだけなら、実利的な使い方より、なるたけバカバカしい使い方を考えたほうが面白い。


 例えば、相撲の懸賞金を出す、なんていうのはどうだろうか。


 ねらい目は、懸賞金が集まる横綱大関・人気力士の取り組みではなく、地味な取り組みである。
 玉春日・十文字戦、なんていうのがいいのではないか。


 渋い取り組みを前に、ちょっと静まった国技館。土俵の周囲をひとりで回る「稲本喜則」の懸賞幕。無意味でよい。


 場内放送では、15文字以内のキャッチフレーズを読み上げてくれるそうで、「宝くじ当たりました。稲本喜則」というのがNHKの全国放送で流れると、ますますもってバカバカしい。
 あるいは、「キヨコ、探している」なんていうのも、全国的に憶測を呼んで、楽しいだろう。


 あぶく銭はあぶく銭として正しく使うべきだと思うのである。


 もっとも、懸賞金は1本6万円。1場所に5本以上出すのが条件だそうだから、最低30万円で済む。
 懸賞幕を作るのにいくらかかるのか知らないが、まあ、宝くじに当たらずともやろうと思えばやれるだろう。


 ならば、いっそ、3億円分の懸賞金を出すか。
 単純計算で5千本の懸賞金を出せる。毎日、幕内の取り組み全てに懸賞を出すとして、1日に20の取り組みがあるとすれば、250日分。
 本場所は年に90日あるから、約3年近くの間、大相撲幕内の全取り組みで、懸賞幕とともに「キヨコ、探している」が流れるのだ。


 北の湖理事長はいつまで我慢してくれるだろうか。


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「今日の嘘八百」


嘘二百五十三 森光子が緊急入院すると、日本の健康産業の約7%に損害が出るという試算がある。