絵に付された説明書きを熱心に読んで、「これ、死ぬ直前に描いた絵なんですって」などと連れに教える説明書き派の人々がいる。
まあ、オバチャンに限らず、説明書きを熱心に読む人、というのは多い。場合によっては、絵を見ている時間より、説明書きを読んでいる時間のほうがずっと長かったりする。
白状すると、昔、絵にあまり興味のなかった頃のわたしがそうだった。
何というか、多分に文字的な「知識」として絵を見るわけで、つまらないことである。
最後に、素朴派に入れるべきか、別の派を立てるべきかわからないが、素朴すぎて思いもよらない感想を言う人々もいる。
もう何年も前だが、良寛ほか、書の名品を集めた展覧会に行ったときのことだ。
近くにいたオバチャンが連れのオバチャンに言った。
「昔の人って、みんな、字が上手かったのねー」
いや、まあね、良寛さんですから。その他、字の上手い人達を集めたのですから。
わたしが、美術館、展覧会におけるオバチャンの感想の面白さを発見したのは、そのときである。
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「今日の嘘八百」
嘘二百四十九 受胎から出産までを1日で済ませる薬が発明されたら、誰も子育てする気にならなくなったという。