最近、割に絵づいている。
えづいている、といっても、ゲロまみれになっているわけではない。
時々、日本画を展覧会や画集で見て、楽しんでいるのである。
出光美術館で俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を見た。
印刷物では知っていたが、生で見るのは初めてだ。
目の前にドドン、とお出ましになると、迫力がある。パワフルだ。思わず、謝ってしまった。
俵屋宗達は江戸時代初期の絵師で、琳派のさきがけと言われる。ま、しかし、美術史上の話は、わたしにはあまりよくわからないので、置いておく。
宗達の風神雷神図屏風とはこれだ(リンク先の「拡大表示」をクリックしていただきたい)。
よく見ると、ツッコミどころ満載の絵なのである。
例えば、右の緑色の風神。
左足(向かって右の足)は、風神を斜めから描いた構図なので、膝から下が横に突き出ていることになる。
これ、人体の構造上、股関節か膝関節を外さないと不可能だ(それか、風神がもの凄い内股か)。
でもって、足の甲が見えている。足首も脱臼しているらしい。
しかし、脱臼しているくせに、風神はえらくウレしそうなのである。
まあ、風神は神様だから人体とは違う構造を持っている可能性もある。
しかし、神様は自由に関節を外せるとか、関節を外してもウレしそうにしていられる、という話は聞いたことがない。
右足は、走る方向から真横に足先を向けて、どうしようというのだろう。
左腕。これがまた不思議で、肩から先の二の腕(黒い帯が巻き付いているところ)は前に出しているように見える。
しかし、耳がさらにその前に出ている。
であるなら、帯の巻き付き方が少々変だが、二の腕を上にあげているのだろうか。
やってみるとわかるが、二の腕を上にあげながら、肘から先をこの絵のように横に向けると、肩が外れそうになる。
わたしは先ほど、実際にやってみて、整骨院に担ぎ込まれた。文章を書きながら故障したのは初めてである。