洛外図

 狩野永徳の作と見られる「洛外名所遊楽図屏風」なるものが見つかったという。


asahi.com - 狩野永徳の屏風絵か 京都で発見、来秋に公開


 狩野永徳安土桃山時代の、というより、日本美術史上、最も有名な絵師のひとり。天才とも評される。
 わたしは印刷物でしか見たことがないが、檜を描いた屏風を見て、大笑いしたことがある。あまりに凄いものを見ると笑ってしまう性癖があるのだ。


 今回見つかった「洛外名所遊楽図屏風」は、京都の古美術商のところにあったのだそうだ。恐るべし、古美術商。恐るべし、京都。


 いきなり下世話な話になるが、こういうものを持っている古美術商の固定資産税って、どうやって計算するのだろう?(追記:固定資産税は土地や家屋に課するものなので、所有する絵にはかからないようです。失礼しました。相続税にはかかると思います)


 税務署の役人に査定できるとは思えないし、それとも税金を計算するために学者や文化庁の係、あるいは古美術鑑定人の手でも借りるのだろうか。
 もしそうだとしたら、今までこの絵が狩野永徳とわからなかったのは、それらの人々にとって、不名誉なことかもしれない。知らんけど。


 さて、「洛外名所遊楽図屏風」だが、リンクを張ったページの画像はあまりに酷い。これでは洛外図だか、関ヶ原の戦いだかわからない。


 新聞のほうにはましな色合いで載っているが、限られたスペースに輪転機で刷ってあるので、真価はよくわからない。
 細かく描き込んだ絵なので、生で見ないとだめかもしれない。