先週、葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の模写をあげた。
新潮日本美術文庫の「葛飾北斎」(ISBN:4106015374)を見ていたら、「神奈川沖浪裏」について、こんなことが書いてあった。
自然と人間のドラマが本図の主題とよく語られる。が、本図の魅力は、それ以上に、形の織りなすダイナミズムにある。画面右から現われたうねりの大きな曲線は、波の底から急にせりあがって波頭へと向かい、そして砕け散る。すべての波がこの大きな動きに呼応し、大きな円を描くムーブメントは、烈しく逆巻く海原とは対照的に泰然として動じない富士に収斂する。
解説:神谷 浩 - 新潮日本美術文庫「葛飾北斎」より
つまり、「神奈川沖浪裏」は渦の絵であり、その渦の中心に小さく、静かに富士が座っている、ということのようだ。
いやあ、模写していて、全然気づきませんでした。