2009-01-01から1年間の記事一覧

What a Wonderful World for 細菌

抗菌グッズや殺菌成分の入っている石鹸など、細菌を“やっつける”発想の製品が広く出回っている。わたしもそうした製品を使うと、ちょっと安心な心持ちになる。 しかし、日常生活から細菌類を締め出せばそれで健康な生活を送れるかというと、実はそう単純では…

お役所仕事

政府が、「電子政府ユーザビリティガイドライン(案)」についてのパブリックコメントを募集している。→ 電子政府の総合窓口 - 「電子政府ユーザビリティガイドライン(案)」に関するパブリックコメントの募集について よく知らないが、電子政府というのは…

オプティミストはなぜ成功するか

オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)作者: マーティン・セリグマン,山村宜子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1994/02/04メディア: 文庫購入: 31人 クリック: 259回この商品を含むブログ (46件) を見る タイトルだけ見ると、弁護士になってマンハッ…

ヒトデの再生と運動

わたしは子どもの頃から生物の不思議ということに感銘を受けるたちで、例えば、草っ原で捕まえたショウリョウバッタのあの変に角張ったご面相を見ては「なんでこんなんなったんだろうなー」などと不思議に思っていた。もっとも、ただただ不思議に思うばかり…

動く物に顔を見出す習性があるのか

昨日のブログの最後に、なぜロボットに顔を付けたくなるのだろうか、と書いたが、これはロボットに限らず、他の製品にもまま言えることのようだ。 例えば、クルマがそうで、たいていのクルマはライトを目に見立てた顔に見えるようなデザインになっている。ラ…

発明の母

「必要は発明の母」と言われる。ひっくり返して、「発明は必要の母」とも言われる。後者は、とりあえず発明してしまったもんだから、あわてて(かどうだか知らないが)必要を掘り起こす場合で、製品・サービスが相当高いレベルになった現代ではよく見られる…

ロボット魚:水との戦いでは最新の武器を汚染

このロボット魚は、船の油漏れなどによる水質汚染を監視・報告する役目があるそうだ。 開発した英BMTグループのページをGoogleで自動翻訳してみた。素敵なタイトルに翻訳してくれた。→ Google 翻訳(英BMTグループ) 本文中になぜか胡主席が登場する。どうも…

英BMTグループのロボット魚はデザインがほどよい

今朝の朝日新聞に英国企業などが開発したロボット魚が載っていた。ラブリーである。→ 朝日新聞 - 水質汚染、ロボット魚で探知 「巣」に戻り自動充電も 形態はほとんど魚を模している。開発者は「魚は長年の進化で泳ぐのに最適な形になっており、ロボ魚のデザ…

論説をちょっとだけ楽しくする方法

言葉には、付けただけでたちまち全体の様相を変えてしまうものがある。例えば、「ちびっこ」というのがそうで、ダービーもノーベル賞も裁判員制度も、「ちびっこ」を付けただけで「日本ちびっこダービー」、「ちびっこノーベル平和賞」、「ちびっこ裁判員制…

ロイヤリティ

マーケティング方面の言葉に「ブランドロイヤリティ」という言葉があって、目にするといつも釈然としない心持ちになる。 ロイヤリティは「Loyalty」。忠誠、忠実といったような意味。例えば、サイトでブランドにまつわるさまざまなストーリーを紹介したり、…

新しいブログパーツを貼ってみた

「剣道時代」という雑誌のブログパーツを見つけて貼ってみた。 画面右下に剣道着姿の人の画像が見えると思う。「剣道で弱気な言葉と真っ向勝負」と書いてあるだろう。この剣士、ブログの中に「弱気な言葉」があると、それを叩きのめしてくれるのだ。「対決」…

煙草と梅毒の運命

煙草は元々アメリカの原産で、15世紀末から16世紀の大航海時代にヨーロッパを経て、世界中に広まったそうだ。ヨーロッパ人で最初に煙草と接したのはコロンブス(1492年にアメリカに到達)の一党だが、ヨーロッパに運んだのはもう少し後の人らしい。16世紀後…

もし煙草が全面禁止になったなら

わたしは煙草を吸わないが、煙草の話は結構好きである。もう少し細かく書くと、煙草の話を通して、いろいろな人間模様というか、人間の面白さがかいま見えることが往々にしてあり、それが面白い。 先日、人と話していて、近年の煙草包囲網の話になった。公共…

ジョージ・ハリスン - 正しい時に正しい場所にいること

ビートルズの特に後期のアルバムを聴くと、よく言われることだけれども、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが出会って、ビートルズの中で影響を与え合ったことは奇跡的なように感じられる。お互い嫉妬・競争心もあったろうが、それもそれぞれの音楽ス…

ポール・マッカートニーのアレンジ

この週末はポール・マッカートニーを、ビートルズ時代からウィングス、ソロ活動まで聞いていた。 ポール・マッカートニーのポップなメロディセンスはごく若い頃にすでに確立していたようだ。ビートルズのごく初期の「ラブ・ミー・ドゥ」や「プリーズ・プリー…

ちょっと気取って書け

丸谷才一の「文章読本」には、「ちょっと気取って書け」という主張が載っている。 幼い頃から素直でよい子だった私としては、言われたからにはやらねばならぬ。以下、今日はちょっと気取って書いてみる。わかりやすいように、気取ったところには(T)と記す…

椅子の文化

何でもかんでも遺伝だの、生まれ育った環境のせいにするのはあまりいいことだと思わないが、わたしが椅子を苦手とするのは、いくらかは生まれ育ちのせいかもしれない。 実家は和洋折衷の暮らしだが、和(サライなんかで扱うような立派なものではなく、あぐら…

お座敷飛行機の夢

昨日も書いたが、わたしは飛行機があまり好きではない。「逃げられない」というのが根本的な理由なのだが、もう少し細かく見ると、長時間、椅子に座っていることの不快さが大きいように思う。 わたしはどういうわけだか椅子にずっと座っているということが苦…

飛行機が嫌なのは

飛行機が嫌なのは最初に書いたように退屈であることが大きいが、煎じ詰めると「逃げられない」ところにあるように思う。まあ、それは電車だって走っているときは逃げられないが、地面と接しているわけだし、いざとなれば停車して逃げ出せないわけではない。…

機内映画

わたしはあまり飛行機が好きではない。一定時間、シートベルトに縛りつけられるのも嫌だし、海外に行くときは時間が長くて、長くて、退屈で、退屈でしょうがない。 でまあ、そういうところを少しでも緩和しようと航空会社も考えてはいる。例えば機内上映の映…

ぶしつけと距離感

そのものズバッと直言するときに、「ぶしつけですが」と前置きをすることがある。漢字で書くと「不躾」で、「しつけがなっておりませんで申し訳ありませんが」というような意味なのだろう。なかなか謙虚で、よい感じの言葉だと思う。 相手と顔を合わせて話を…

「寝ずの番」と転生のイメージ

寝ずの番 [DVD]出版社/メーカー: 角川ヘラルド映画発売日: 2006/10/18メディア: DVD クリック: 21回この商品を含むブログ (124件) を見る マキノ雅彦(津川雅彦)監督の作品。見るのは二度目だが、相変わらず楽しめた。 上方の落語家一門のお通夜(寝ずの番…

無理くり「なのか」系タイトル

昨日書いたが、本やブログ記事の「なのか」系タイトル(「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の類)は、問いかけられると思わず反応せねば、と感じる人間の習性をつついているのだろう。いささか手口があざとい気もするが、書店や記事のリストの中で目を引き、…

「なのか」系タイトルはなぜ増えたのか

最近――といっても、ここ10年くらいのスパンの話なのだが、実用書のタイトルの付け方が変わってきているように思う。例えば、昔なら「実用文の書き方」とそっけないタイトルだったろう本が、「なぜあなたの書く文章は読んでもらえないのか?」などと、疑問文…

当たり前のことを見直してみる〜2

昨日、「当たり前」の凄さを見直してみることについて書いたが、例えば、シャボン、泡というのも、普段、別にどうとも思わずに使っているけれども、実は大したものだと思うのである。 日本に初めて石鹸が伝わったのは戦国末期か安土桃山の頃であるらしい。も…

当たり前のことを見直してみる

いいことなのか悪いことなのかよくわからないが、人間は物事に慣れてしまう。「面白い!」「便利だ!」「凄い!」と最初は思っても、そのうちに当たり前のこととして意識にも上らなくなる。 例えば、初めて自転車の補助輪を外したときのことを思い出していた…

明るいとこだけ見ていよう〜2

先日も紹介した(id:yinamoto:20090502)、モンティ・パイソンのエリックアイドルの曲“Always Look on the Bright Side of Life”、およびそれを使ったナイキの昔のCM。 いろいろうまくいかないこともあるけれど、ま、明るいとこだけ見ていよう、というメッセ…

次郎長三国志は大馬鹿でよい

次郎長三国志 [DVD]出版社/メーカー: バンダイビジュアル発売日: 2009/04/24メディア: DVD購入: 5人 クリック: 33回この商品を含むブログ (23件) を見る 土曜日に清水次郎長について書いたついでに、マキノ雅彦(津川雅彦)監督の「次郎長三国志」のDVDを借…

水滸伝の日本の大衆文化への影響

水滸伝を読むと、それが日本の大衆文化に随分と影響を与えていることに気がつく。例えば、高島俊男「水滸伝の世界」にこんなことが書いてある。 もともとわが国には、悲劇的英雄のものがたりはあっても、強くて単純で陽気で乱暴者の豪傑が大あばれ、悪いやつ…

裏返しに見てみる

わたしは物事をひっくり返して見てみることが好きで、物事の違う面が見えてくることがある。 よく知られたジョークに、最高の暮らしとは「日本人の妻を持ち、アメリカ人の家に住み、イギリス人の給料をもらい、中国人のコックを雇うこと」というのがある。で…