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土曜日に清水次郎長について書いたついでに、マキノ雅彦(津川雅彦)監督の「次郎長三国志」のDVDを借りて見てみた。これがなかなかよくできた大衆映画で、拾い物だった。マキノ監督は客を楽しませるツボをよくわかっていると思う。初監督作品の「寝ずの番」も馬鹿馬鹿しくも楽しい映画だったし(お通夜が最後には三味線かき鳴らしての猥歌合戦となるのである)、あるいはわたしの好みに合う監督なのかもしれない。
「次郎長三国志」は副題に「大馬鹿者でござんす」とついている。清水次郎長が大馬鹿者というより、子分達が、岸部一徳扮する大政を除いて全員陽気で大馬鹿者で、それが楽しい。
大馬鹿といえば、エンディングのタイトルロールで流れる主題歌「旅姿三人男」がまた馬鹿ですこぶるよい。歌うのは宇崎竜童。女声コーラスが例のジャパニーズ・コール・アンド・レスポンス、「♪ハァ〜、コリャコリャ」という民謡合いの手調なのだが、ロックンロールに乗せてひたすらに歌詞を繰り返しまくる。「♪名物ハ、名物ハ、ハァ〜ハ」とか、「♪旅姿、旅姿、ハァ〜ハ」とか、「♪出る涙、出る涙、ハァ〜ハ」とか、ヤケクソのような、テキトーなようなで、それがおかしい。
映画のトレイラーで少しだけ聞くことができる。
曲自体は昔からあるもので、美空ひばりやディック・ミネ、石原裕次郎も歌っているようだ。合いの手は編曲者のアイデアだろうか。素敵である。大音量で鳴らしながら、ハイエースで湾岸をぶっ飛ばしてみたい。それが粋というものだ。
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