おれたちはどう生きるか

 おれは今、56歳で、そろそろ先が見えてきた。60歳になったらどうするかについてこれといって考えはないけれども、ぼんやりと思うときもある。人生設計がまるでできていないとも言え、いや、面目ない。

君たちはどう生きるか」を宮崎駿がアニメ化したらしいが、おれはアニメが苦手だし、宮崎作品も大仰で好きではないので、自分から見ることはないだろう。

 アニメの前には漫画化したものが売れた。その原作小説は80年以上前(戦前である)に書かれた超ロングセラーなんだそうだ。おれは漫画も原作小説も読んでいない。いや、面目ない。

 しかし、少し先にある定年後、あるいは老後を考えると、ちょっとこんな心持ちになる。

 ジジイだってどう生きるかは問題で、可能性がたくさんある青少年にくらべて、むしろジジイのほうが制約条件がいろいろあって切実かも知れない。

 まあ、なんとかなるだろう、という楽観は、考えることから逃げていることの裏返しであったりして、なかなかに悩ましい。

 おれたちはどう生きるか?