マン

 スーパーマンとか、ウルトラマンとか、いろんなマンがいる。原点はアメコミだと思う。


 どういうマンにするか、原作者はいろいろ頭を絞るのだろう(追記:「頭」を絞っちゃいかんか……)。人気が出るかどうかは、おそらく、最初の想定によるところが大きい。


 例えば、スパイダーマンは手から糸を出してビヨンビヨン、壁もスルスル登れる、と決めた時点で、少なくとも、キャラクター設定や作品のムード、ストーリー作りの足がかりにはなったはずだ。


「蜘蛛」であるからして、どこか気味悪さがあり、底抜けに明るくはできない。スーパーマンのように、ノーテンキなナイスガイ、というわけにはいかなくなるのだ。


 糸を尻の穴からではなく、手から出すことにしたのは、良識のゆえだろう。
 尻の穴から糸を出してブランブラン、のほうが蜘蛛の姿には近いのだが、さすがにそれではカッコ悪い。
 パンツ半脱ぎ状態で、敵に尻を向けて、糸をビューッ、では、ヒーローとしてさすがに問題があるのだ。


 いろんな生き物でマンを考えてみたい。例によって、出たとこ勝負で行く。


・ドラゴンフライマン


 語呂が悪い。


「トンボ男」である。
 じゃあ、これがどういうやつかというと、長いほぼ透明な羽根があって、やたらと胴長。得意技というと、ヘリコプターのように空中で静止できることくらいだ。ヒーローとしてはツラいものがある。


 あと、ドラゴンフライウーマンと空中でつながっていることも多いのだが、どうもそうなると、健全なセーショーネンには見せにくくなってしまう。


・フィッシュマン


 これは、つまりは、半魚人だな。


 わたしは昔から半魚人というのはこういう姿であるべきだと思っている。



半魚人


 上ばかり見て歩くのでつっころびそうだが、まあ、「魚眼」であるからして、何とかなるだろう。


 これまた、なかなかヒーローにはなりがたい。


・ガマン


「蛾マン」である。日本語じゃないか、と言うことなかれ。んなことはわかっている。蛾を英語で何というのか、知らないだけだ。


 で、ガマンだが、こやつの武器は何かというと、文字通り、我慢である。駄洒落だが、許していただきたい。


 天井裏にじーっと張り付いていて、気づいた住人に気色悪がられるという、実に地味なヒーローだ。田舎だと巨大なやつに出くわすこともある。


 ヒーローの常として、弱点もある。「街灯」。うーむ。ますますもって地味である。


 街灯があると、そのまわりをひたすらぐるぐる回ってしまうのだ。本人も「あー、いかんともしがたい」と思いながら、ぐるぐるぐるぐる。


 悪の組織に捕まった田中少年は、かくして助けられないまま、終わってしまうのである。


・ドッグマン


 これは、きっといろんな人が考えただろうな。人間にとって、最も身近な動物だから。


 しかし、犬をモデルにした人気のあるマンは生まれていない。少なくとも、わたしは知らない。


 足は速い。これはヒーローにとっていいことだ。


 人間の100万倍ともいわれる鋭い嗅覚で敵を追うこともできる。地面に鼻面をこすりつけ、電柱があるとついシャーッとやらかしてしまうので、あまりカッコはよくないが、まあ、特殊能力としては使える。


 で、武器だが、鋭い歯による噛みつきと、ジステンパー。あるいは、狂犬病
 非常に強力な攻撃手段だが、保健所が放っておかない気がする。


 なお、やはり弱点があって、それは「おあずけ!」の一言である。


 どんなに優勢な状態で戦っていても、敵の「おあずけ!」の一言で、「クーン……」と引き下がってしまうのだ。


 かくして、彼もまた、田中少年を助けられないである。


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唐突だが、今日から嘘八百を並べることにした。ただし、いきなり八百も嘘を並べるのは無理なので、一日一個、嘘を書くことにする(努力目標ダケド)。まあ、一種の「行」だ。


題して、「今日の嘘八百」。


嘘一 昔、「ドーベルマン刑事(デカ)」という漫画があった。人気が下り坂になった頃、テコ入れとして、ポメラニアン刑事(デカ)というキャラが登場した。キャンキャン吠えるだけの情けないやつだった。