スーパーマン

 スーパーマンといえばアメリカンヒーローの代表だが、わたしは以前からこの人について疑問を感じている。
 本当にヒーローにふさわしい人物なのか、ということだ。


 理由はいくつかある。


 まず、


・センスが悪い。


 スーパーマンといえば、こういうスタイルだ。



スーパーマン - Wikipediaより)


 ライトブルーのピタハリスーツに、真っ赤なパンツとマント。


 わたしはあまりファッションのことはわからぬのだが、これは相当、ダサい組み合わせなのではないか。


 パンツもズロース、いわゆるババ・パンツに似ていて、妙にぶかっとしている。
 なまじいスーツのほうがピタッとしているだけに、この分厚さは奇妙だ。よほど生地が厚いのか、それとも老人用紙おむつでもしているのか。


 次に、


・自意識過剰である。


 自分から「スーパーマン(超人)」と名乗る態度はどうなのか。いささか傲慢ではなかろうか。


 まあ、確かに空を飛んだり、怪力を発揮したりと常人にない能力を持ってはいる。


 しかし、謙譲の美徳、内省の大切さ、他人への配慮というのは、何も日本だけの話ではなかろう。


 しかも、自分で胸にSupermanの「S」をあしらっている。はっきり言って、この人は馬鹿ではないか、と思う。


・力まかせである。


 わたしもそんなにスーパーマンのエピソードを知っているわけではないが、この人が頭を使って問題を解決するのを見た覚えがない。
 ダムが決壊しそうなのを体で押さえつけたり、クルマを空中に持ち上げたり、ミサイルを力で押し戻そうとしたり、全体にやることが乱暴で雑である。


 つと、スーパーマンとは対照的な、「アイデアマン」というヒーローを思いついた。



イデアマン


 困難を頓知で何とかするという、日本人好みのヒーローである。


 胸のところのマークは「i」にしようかと思ったが、それではアップルの宣伝みたいなので、「!」マークにした。
 この人は、やたらといろいろ閃くのである。


 最後に、スーパーマンは、


・変態である。


 マッチョな体を強調するピタハリスーツを見ただけで、何となく推察できる。
 駅のトイレでこういう人に出くわしたと想像してご覧なさい。間違いなく引くだろう。


 しかも、この人は電話ボックスで着替えるという。
 昔の電話ボックスは中が見えなかったのかもしれないが、着替えの途中、ズボンをおろしているところやなんかで、ドアを開けられたらどうするつもりだったのだろう。


 一方で、実はスーパーマンは、そういう瞬間が訪れることを待ち望み、トキメキながら着替えていたのではないか、とも想像するのである。

                  • -


「今日の嘘八百」


嘘四百十 携帯電話の普及で、電話ボックスが減り、スーパーマンは困っているという。