スーパーマンといえばアメリカンヒーローの代表だが、わたしは以前からこの人について疑問を感じている。
本当にヒーローにふさわしい人物なのか、ということだ。
理由はいくつかある。
まず、
・センスが悪い。
スーパーマンといえば、こういうスタイルだ。
ライトブルーのピタハリスーツに、真っ赤なパンツとマント。
わたしはあまりファッションのことはわからぬのだが、これは相当、ダサい組み合わせなのではないか。
パンツもズロース、いわゆるババ・パンツに似ていて、妙にぶかっとしている。
なまじいスーツのほうがピタッとしているだけに、この分厚さは奇妙だ。よほど生地が厚いのか、それとも老人用紙おむつでもしているのか。
次に、
・自意識過剰である。
自分から「スーパーマン(超人)」と名乗る態度はどうなのか。いささか傲慢ではなかろうか。
まあ、確かに空を飛んだり、怪力を発揮したりと常人にない能力を持ってはいる。
しかし、謙譲の美徳、内省の大切さ、他人への配慮というのは、何も日本だけの話ではなかろう。
しかも、自分で胸にSupermanの「S」をあしらっている。はっきり言って、この人は馬鹿ではないか、と思う。
・力まかせである。
わたしもそんなにスーパーマンのエピソードを知っているわけではないが、この人が頭を使って問題を解決するのを見た覚えがない。
ダムが決壊しそうなのを体で押さえつけたり、クルマを空中に持ち上げたり、ミサイルを力で押し戻そうとしたり、全体にやることが乱暴で雑である。
つと、スーパーマンとは対照的な、「アイデアマン」というヒーローを思いついた。
困難を頓知で何とかするという、日本人好みのヒーローである。
胸のところのマークは「i」にしようかと思ったが、それではアップルの宣伝みたいなので、「!」マークにした。
この人は、やたらといろいろ閃くのである。
最後に、スーパーマンは、
・変態である。
マッチョな体を強調するピタハリスーツを見ただけで、何となく推察できる。
駅のトイレでこういう人に出くわしたと想像してご覧なさい。間違いなく引くだろう。
しかも、この人は電話ボックスで着替えるという。
昔の電話ボックスは中が見えなかったのかもしれないが、着替えの途中、ズボンをおろしているところやなんかで、ドアを開けられたらどうするつもりだったのだろう。
一方で、実はスーパーマンは、そういう瞬間が訪れることを待ち望み、トキメキながら着替えていたのではないか、とも想像するのである。
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「今日の嘘八百」
嘘四百十 携帯電話の普及で、電話ボックスが減り、スーパーマンは困っているという。