ジャマイカの存在感

 世界には存在感のある国というのがあって、大国はもちろんだが、そうではないのに妙に光る国がある。

 ジャマイカもそのひとつだと思う。

 おれくらいの年齢の洋楽好きだと、レゲエやダンスホールが思い浮かぶ。ジミー・クリフボブ・マーレーのようなレジェンドをはじめ、有名ミュージシャンがたくさんいる。

 スポーツ選手なら、もちろん、ウサイン・ボルト。その他にも世界レベルの陸上競技選手を輩出しているし、サッカーの代表チームは1998年のW杯で日本代表を破っている。

 ジャマイカの人口を調べてみると、296万人(2020年)。意外に少ない。横浜市の人口が377万人(2020年)で、ジャマイカ人は横浜の住民より少ない。1998年のW杯日本代表は横浜代表に負けたようなものである。ちょっと違うか。

 横浜より小さい国からあれだけのミュージシャンやスポーツ選手が出ている。いったい何があるのだろう、と思う。イギリスやアメリカとの言語のつながり、文化的なつながり、移民の関係なんかもあるのだろうか。

 逆に意外と人口の多い国にはたとえばインドネシアがある。人口2億7千万人で日本の2倍以上だ。ジャマイカの100倍くらいある。その割には世界的な有名人が少ないように思う。インドネシアの中だけでいろいろ完結しているのだろうか。あるいは言語の問題か。

 有名人の輩出が必ずしも人口に由来するわけでもないだろうけど、ジャマイカの光り具合はちょっと特別な感じがするのだ。おれが洋楽ファンだからかな。