羽生名人の防衛

 将棋の羽生善治が名人位を防衛した。

 わたしは、顔が羽生名人に似ていることもあり、羽生名人の名前が出てくると「お」と思う。感覚的には、遠縁のそのまた遠縁の人、くらいの受け止め方である。

 新聞記事などを読んでいると、今回の名人戦は非常に盛り上がったらしい。

 もっとも、将棋についてわたしは駒の動かし方を知っている程度であり、何やら激戦であったらしいということが言葉としては理解できるけれども、譜を見ても何が起きているのか全くわからない。あるいは、野球のルールを知らない人が野球の試合を見ると、こんな感じなのだろうか。いや、野球はまだ選手の動きや、グラウンド上にいる選手の数(塁上の選手など)で有利・不利がいくらかは伝わりそうだが、将棋はなかなかわかりにくい。判断基準はせいぜい陣の崩れ具合ぐらいだろうか。

 何か凄いことが起きているらしいのだが、さっぱりわからない。しかし、やはり凄いことが起きているらしい――将棋の記事や映像を見ると、いつもそんなふうに感じて、「わたしは何に感心しているのであろうか?」とよくわからなくなるのである。