- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2003/01/16
- メディア: DVD
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一般人を刑務所の看守役と囚人役に振り分け、二週間過ごさせたらどうなるかという実験を題材にした映画。アメリカの大学で実際に行われた実験を元にしているそうだが、おそらく設定を借りてきただけで、内容はほとんどオリジナルだと思う。
見るのは二度目だ。初めて見たときは、暴力がどんどんエスカレートして破局を迎えるまでを、アレヨアレヨと呆然としながら見ていた覚えがある。二度目の今回はもう少し冷静に見ることができ、よくできたシナリオだと感じた。
被験者達は、最初は和気あいあいとしている。囚人役と看守役も一種遊び的雰囲気で実験が始まる。しかし、双方の割り当てられた「立場」と、ちょっとした感情の綾がしだいに両者の溝を広げ、やがてのっぴきならない状況に至る。この過程の描き方が上手い。
映画は模擬刑務所という特殊な舞台だが、立場とちょっとした行き違いがトラブルに発展するということは、我々が日常生活で体験することでもある。この映画ほど極端な結末に至ることはないにしろ、事態が悪化していく過程は日常生活でも体験することだから、普通の人にも実感できるのだと思う。よくできたシナリオ、と書いたのはそういう意味だ。
「今回は、もう少し冷静に見ることができた」と言っても、やはり衝撃的なストーリーだ。こういう映画を、ビビりながらも見たくなる心理というのは何だろうか。洟を噛んでからティッシュペーパーをわざわざ広げて、「わちゃー」と思うような心理かもしれない。