けん責処分

 いつもわからないのだが、会社や団体の職員に対する懲罰で、けん責処分というのがある。
 あれは一体、何をするのだろう。


 似たような言葉を思いつくままに並べると、厳重注意、戒告処分、訓告処分なんていうのがあり、どれがどれやらよくわからない(調べる気がないからわからないままなのだが)。


 広辞苑で「譴責」を引いたら、こう書いてあった。


けん-せき【譴責】1) 過去などをきびしくとがめせめること。「―を受ける」2) 年貢などをきびしく催促すること。3) 〔法〕官吏に対する最も軽い懲戒処分。職務上の義務違反に対し、将来を戒めること。法令上は戒告。


 2なら面白いのだが、まあ、3の「将来を戒めること」を、一般の会社でも援用しているのだろう。


 少し前に、巨人の球団代表が、選手の薬物使用に関して、自らをけん責処分にする、と発表した。
 これがまた、わからない。


 自らをけん責処分にする、というのは、具体的にどうするのだろう。
 球団代表の部屋で、ひとり身なりを正してから、「オレは駄目だった!」とか、自らを責めるのか。「これからは、絶対、こんな事件を起こさないぞ」などとつぶやくのか。


 そのとき、きっと球団代表は半開きのブラインド越しに夕日を見ているに違いないのである。なぜだかわからないが、我が国の企業ドラマ世界ではそういうふうに決まっているのである。


 あ、それともあれか。渡辺恒夫読売新聞グループ本社会長に怒ってもらうのか。


「会長、私を叱ってください!」
「ヨシ、来い!」


 何が「ヨシ、来い!」だかよくわからないが、まあ、そういうことかもしれない。

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「今日の嘘八百」


嘘七百五十一 おれの人生は親からの借金の踏み倒しのようなものである。