異相

 日本史上、最も衝撃的な肖像画のひとつは、大村益次郎のそれではないかと思う。



 明治維新期に日本の兵制改革を行った人だとか。会ったことがないので、詳しいことは知らない。


 画像を加工したとか、肖像画家が意地悪したとかではなくて、実際、こういう頭だったらしい。額のあたりにだいぶ余裕がある。目を、もうひとつ、ふたつ付けておいてもよかったのではないか。


 無口で偏屈だったという話も聞くが、まあ、この頭だ。いろいろ幼少期からの悔しさや悲しみがあったのかもしれない。
 ただ、脳の容器として考えれば、随分容量がありそうで、重宝ではある。


 髪形とは面白いもので、同じ顔でも随分と印象が変わる。大村益次郎をドレッドにしてみた。



 似合うかどうかは別として、異常に長い頭のイメージはなくなる。幕末期にドレッドヘアがなかったことは、益次郎にとって、不幸なことであった。


 しかし、我ながらやっていることが、中学生の教科書への落書きと変わらない。人間、いつまでも少年の心を忘れないでいることが、全然褒められたものではないとわかる。


 せっかくこんな筒型の頭の形をしているのだ。あるいは、こんな使い方もあったのではないか。



 印鑑を持ち歩かないでも、いろいろ手続きできるので便利である。


 こんなのも作ってみた。



 楳図かずおの、特に初期の作品に通じるものがある。
 いったい、何を言いたいのか、わたしにもわからない。


 穏やかな海を行く美しい帆船。



 しかし、その前途には何か不吉なものをはらんでいる。


 なぜならば、



 船の守り神が益次郎だからである。


 まあ、魔除けの点では、なかなか効果がありそうではあるが。


 えー、今日は、デジタル・テクノロジーの進歩を、無駄に使ってみました。

                  • -


「今日の嘘八百」


嘘五百四十五 新橋の外れあたりに火の鳥の焼き鳥を出す店があるとか。