頭髪、爪

 常々不思議に思っているのだが、人間の頭髪と爪、放っておくとやたらと伸び続けるのはなぜなのだろうか。


 いやまあ、中にはすぐ抜けるとか、今となっては生えてさえこない、という人もいらっしゃるだろうが、個人的事情については関知しない。あがくなり、諦めるなり、好きにやっていただきたい。


 頭髪の長さの限界は、伸びるスピードと抜けるまでの時間で決まり、日本人の平均では70cmくらいまで伸びるんだそうだ。
 男女を混ぜた平均身長を160cmとすると、腰のあたりまでだろうか。


 爪のほうは、さっと調べた範囲では、平均してどこまで伸びるのかわからなかった。
 剥がれることはあっても、頭髪のように抜けることはなさそうだ。だとすると、割れたり剥がれたりしないよう、大事に放っておくと(変な言い方だが)、延々伸び続けるのか。


 案外、爪っていうのはガン細胞だったりして。でもって、誰も困ったことがないから、ガン細胞だと気づかれていないだけだったりして。


 頭髪にしろ、爪にしろ、やたらと伸びると、道具の発達している現代人ならともかく、野生動物だったら不便でしょうがないはずだ。進化論では、そこらへん、問題にしている人、いるのだろうか。


 あるいは、原始時代の人々、頭髪と爪をどうしていたのか。


 頭髪が伸びて、頭が痒いわ、暑苦しいわ、「ああ、うぜえ」と(当時の言葉で)思ったとき、打製石器だの磨製石器だので髪を切っていたのか。
 随分、痛そうだし、技術がいりそうだ。


 人類最古の職業はご承知の通り、うららかなる春のサービス業の方々だが、人類二番目の職業は床屋だったのかもしれない。


 爪は、猫のように研いでいたのか、それとも噛んでいたのか。


 爪を噛む原始人というのは、どうもパッとしない。
「でもよう、あそこでおれが飛びついたって、あのナウマン象は捕れなかったよ……」などと、爪噛みながらイジイジしている原始人。ま、中にはそんなやつもいたろうけど。


 次のリンク先は、爪の長さでギネスブックに載った人と、モヒカンの長さでギネスブックに載った人(下のほうに写真があります)。


Ananova - Woman's 7.5 metre fingernails


 モヒカンのアアロン君は電車やバスに乗るとき、どうするんだろう。
 しゃがんでヨチヨチ乗るのだろうか。


 まあ、アアロン君、写真には上半身しか写っていないから、実はもの凄い短足だ、という可能性もあるけどね。

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「今日の嘘八百」


嘘四百八十八 人が酒を呼ぶのではない。酒が人を呼ぶのだ。