金八先生のシリーズをほとんど見たことがない。
生まれ育った田舎にはTBS系列の放送局がなかったし、東京近辺で暮らすようになった頃にはテレビドラマを見なくなった。
金八先生のシリーズを見た時間は、これまでを総計しても、10分とか20分とか、そのくらいではないか。
それでも多少の知識はあって、金八先生が漢字をネタにいろいろと説教することくらいは知っている。
あの独特のネトネト声で、
「いいですかあ。人という字はあ、支え合ってできているのです」
とかなんとか、そんなことを言うらしい。生きていると余計な知識が増えていくものである。
人、である。
確かに、2本の線が支え合っているようにも見える。
しかし、これはむしろ、“もたれ合っている”と見たほうがいいのではないか。
この体勢、おそらく、長くは続かないだろう。足のあたりを見れば、この後、どうなるか、おおよその察しはつく。
「人」という字が支え合っているのなら、「入」という字はどうなのか。ぜひ金八先生に訊いてみたいところだ。
「揚げ足をとってはいけましぇん!」
と怒られるのだろうか(何だかんだ言って、いろいろ知ってるね)。
あるいは「嬲」という字はどうなのだろう。
「いいですかあ。嬲(なぶ)るという字はあ……」
ここまででよしておく。やはり、やってはいかんことというのはある。
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「今日の嘘八百」
嘘五百二 金八先生の放送を見て、白川静先生がTBSに訂正を求める電話をかけた、というのは有名な話である。