小学校低学年の子供の前に、ドライバーと目覚まし時計のセット、それから可愛い人形を置く。
あくまで想像なのだけれども、男の子の多くがドライバーと目覚まし時計のセットを、女の子の多くが人形を取るのではないか(誰か、実験してみてくれ)。
そうして、誰も見ていなければ、男の子は目覚まし時計のネジをドライバーで外し始めるだろう。いや、全員とは言わないが、かなりの人数が。
まあ、中にはドライバーで人形のネジを外して、バラバラにしてしまう、なんていうツワモノもいるかもしれない。
そういうガキは将来、よからぬことをやらかしそうな気もするので、親としては一応、注意しておいたほうがいいかもしれない(げ。今、ガキの頃の淡い記憶がよみがえってきた……)。
こういう性差がどうして生まれるのか、時々、興味を持つのだが、ちゃんと調べてみたことはない。
生まれつきのものなのか、それとも育っていく間に植えつけられる文化的なものなのか。
もし仮に生まれつきのものなのなら、女の子の人形好きは授乳につながると解釈できるけれども、男の子のネジ好きには、進化・遺伝上の理由が何かあるだろうか。
ネジが発明されたのなんて、人類の長ーい歴史の中ではごく最近のことだろうに。
男の子の模型好き、女の子のぬいぐるみ好き、というのも、統計をとればだいたい、合っているだろう。
よく自分の部屋をぬいぐるみだらけにしている女の子〜娘〜もっと成長した女性がいるけれども、ああいう心理は男には――少なくともわたしには、頭では理解できても、心ではわからない。
逆に、わたしも、ガキの頃はやはり、ミニカーだの鉄道模型だのプラモデルの戦車だのが好きだった。
そういうものを集めている大人の男の気持ちは、心でわかるのである。
そうして、ネジだ。
今でも、家具や何かのネジ止めをするとき、外すとき、わたしは楽しい気持ちになる。
おおげさに言えば、コーフンする、エクスタシーを感じると言ってもよい。
ネジをこれからそれへと外すにつれ、わたしの目は恍惚のそれとなり、口はだらしなく開いて、やがてそこからは、よだれがだらだらと垂れ落ちる。
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嘘二百八十三 みのもんたが健康法を次々に紹介しすぎるので、視聴者のオバサン達はどれも長続きしないという。