新聞やテレビが世論調査をするのはいいことだけれども、大きく扱いすぎではないかと思う。


 理由はふたつある。


 まず、例えば、大事件が起きた直後は、詳しい事情やら背後関係やらが不明なことが多い。
 一方で、事件のショックは強烈で、そうなると、感情的な意見、極端な意見――というより、感想を持つ人は多いだろう。針は大きく振れやすい。


 それはそれで、民意といえば民意だけれども、あくまで瞬間最大風速の民意、感想だ。あまり何かを考える際のよりどころにできるものではない。


 よく大事件の直後に「緊急世論調査」なんてものが行われるけれども、あれは捨て置いたほうがいい。あるいは、強烈なギワクのマナザシで睨みつけたほうがいいと思う。


 継続的に世論調査を行って、時系列で答の変化を見るのは、資料として役に立つと思う。
 しかし、一回きりのものを取り出しても、あまり意味はない。むしろ、しばしば有害ですらある。


 もうひとつは、世論調査には、よくよく考えないで出したろう答が多いことだ。世論、世論と言うけれども、実際は、世「論」とは言えない場合が多い。


 森首相の頃の世論調査では、よく「首相にしたい人」の上位に田中真紀子氏が入っていた。


 話が面白いとか、わかりやすい首相がいいのなら、吉田照美氏だっていいではないか。


「主婦の目線で政治をしてくれそう」という意見もよくあった。


 主婦の目線は大切だ。しかし、それは国会議員なり、閣僚の誰かなりが持っていればいいのであって、首相に、主婦の目線で仕事をされてはたまったものではない、と思う。


 首相に求められる資質のひとつは、いくつもの目線を、少なくとも理解はしようとする姿勢だろう(その後、切り捨てるか、妥協点を探るかは、いろいろだろうけど)。


 わたしには、民、民衆、庶民、大衆というくくり方と、そこから出た民意とやらいうものが、今イチよくわからない。


 それから、ブログでしばしば「炎上」ということが起きるけれども、あれが起きるメカニズム、燃やす人の心理、というのを研究して、明らかにするといいと思う。
 これからの時代に、たぶん、役に立つだろう。


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「今日の嘘八百」


嘘二百三十二 本日、全国の推定二百三十万のブログで「台風一家」について書かれるそうです。