年をとったということなのか、ふと「あれ? 何しようとしてたんだっけ?」となることが増えた。
アルツハイマーか何か、その種の病気の可能性もないではないが、まあ、だいたい、年が行くとそうなる人が多いようである。
こういうのは何なのだろう。古いラジオやなんかと同じで、どこかの接触が悪くなるのだろうか。
若い人は、ケッ、ジジイが! と思うのかもしらんが、残念ながら、時間というのは一方向にしか流れない。いずれは、若い人も若くなくなる。おれは待ってるぜ。
「子供叱るな来た道じゃ、年寄り笑うな行く道じゃ」という言葉もある。
さらには、女性専用だが、横田順彌の名言に「全ての道は老婆に通ず」というのもある(「老婆は一日にして成らず」ってのもあるけどね)。
お若えの、せいぜい今のうち、自分のハンダのくっつき具合を自慢していなせえ。
しかし、わたしの場合、年齢のせいばかりでなく、昔から結線の悪いところはあった。
小学生の時分には、ランドセルしょって学校へ行って、下足箱の前まで来て、ようやく今日が日曜日、と気づくこともあった。
中学生のときは、逆に、平日なのに休みの日と勘違いして、繁華街で補導されかかったこともある。
だいたい、母親の胎内から出てきたときからしてそうで、「あれ? 何しようとしてたんだっけ?」と途方に暮れるところから、わたしの人生は始まった。母親も別の意味で途方に暮れていた。
困ったことに、いまだに何しようとしてたのか、思い出せない。
十月十日(とつきとおか)の間、いろいろ考えていた記憶だけは残っているのだが。
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「今日の嘘八百」
嘘四百二十二 世論調査は、イッパンタイシューがどれほどいい加減なものかを確認するためにある。