友達にMTBとエロカワという男がいる。


 MTBは、本名は加藤。存在の耐えられない面白さ、とでもいうべき男なので、たまにこの日記に書くことがある。
 昔は、ブルース・ウィリスを縦横3分の2にした男、と紹介していたのだが、最近は枝雀師匠とタコ社長を足して5掛けたような風貌になってきた。
 MTBというのはマウンテンバイクのことではなく、マウンテン・バカの略称だ。


 エロカワは、エロ・カワイイとは関係ない。エロス・カワグチの略だ。


 昔々にその悪行を書いたら、当時、川口が付き合っていた彼女にバレそうになり、以来、無言の圧力もあって、あまり書けないでいた。
 最近、ようやく禁が解けたので、早速、悪行を書き立てることにする。違うか。


 なお、本人の名誉(と、わたしとの友情)のために念を押しておくが、あくまでエロス・カワグチ、の略であって、エロ・カワグチの略ではない。
「ス」が付くか付かないかで大違いだ。ま、歩くレッツ・ゲット・イット・オン*1のような男である。と、日記には書いておこう。


 ちなみに、わたしはアガペー・イナモトと呼ばれている。


 MTBとエロカワには、女性に対する共通の評価基準があって、それは「白」であることだ。


 MTBのほうは「色白の子はいいねえ」という程度なのだが、エロカワのほうは厳しい。


 とにかく、女性はまず「白」でなければならぬ、というわけで、十分条件じゃなくて、必要条件というんだっけな? ま、最低限、そうあるべし、と決めている。


「女性はまず〜」といっても、定食屋のおばちゃんまで「白」である必要はない。
 己の寵愛を受けるに値する女性は「白」、というわけで、思い上がりも甚だしいと思うのだが、本人がそう考えているのだから、仕方がない。


 歩いていると、エロカワは時々、「白え〜!」と叫ぶことがある。何事かと思うのだが、どうやらすれ違った女性の顔が白かった、ということらしい。


 それはどうよ、と思わないでもないが、面白いので、そのままにしている。


 エロカワとMTBと3人で飯を食いに行くと、ふたりして「あれは白い」、「これも白い」、「それは白ですか」、「いいえ、それはオレンジです」と盛り上がっている。
 わたしなんぞ、顔が緑色とかでなければ別にいいではないか、と思うのだが、どうも、白だ、白だ、と騒ぐのが楽しいようだ。


 アホか。


 いや、実際、アホなのだが。


 ところが、先日、エロカワが「最近、白じゃなくても、いい気がしてきた」と言い出した。


 これは付き合いの長い我々からすると驚天動地の大事件なのだが、読んでいるミナサンにとっては、全くもってどうでもいいことでしょうねえ。
 わたしも、どうでもよくなってきた。


 というわけで、世の中の「白」でない女性のミナサン。とりあえず、よかったですね。


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「今日の嘘八百」


嘘九十三 わたしの好みの最低基準は足首が太いこと。

*1:マーヴィン・ゲイの1973年の大ヒット曲、 ASIN:B0002ZEUXG