「昔に戻れたら」と夢想するのは、人間、誰もがやることだ――というのは大嘘で、3歳と1歳のわたしの姪はそんなこと、夢想したことないはずだ。
「昔に戻れたら」と夢想する初めての誕生日。とても困る。
もっとも、わたしの場合は例外で、何しろ、幼少時は天才であった。「ああ、昔に戻りてえ」と尻をボリボリ掻きながら、母親の胎内から出てきたものである。
中島らもが何かに「女の子に対する大人のオトコの知識とテクニックを持ったまま、小学校6年生に戻ってみたい」と書いていたと思う。
なるほど。バラ色の小・中・高時代を送れるであろう。
しかし、落とし穴もある。大人のオトコの体型と顔つきと疲れを持ったまま、小学校6年生に戻ったらどうなるのか?
泥色の小・中・高時代を送ること、必定と思われる。
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「今日の嘘八百」
嘘六十七 昭和残侠伝シリーズのラストで、健さんの出発が遅れたせいで、池部良が不審者扱いされたことがある。