セレブ/勝ち組負け組

・セレブ


 いつからはびこり始めたのだろう。


 この言葉は、使われれば使われるほど、安っぽくなっていくのも面白い現象だ。その点、「ゴージャス」に似ている。しかし、ここでは深追いしない。


 英語の「celebrity」から来ているらしい。さらに、「celebrity」は「高名」、「祝福された」から来ているのだと思う。


 まあ、誰が高級マンションに住もうが、高そうなファッションに身を包もうが、白金でお茶しようがかまわない。
 嫌なのは、そういうものをもてはやす、シモジモの東京12チャンネル的態度だ。


 グリーンピースご飯に祝福あれ! と願うばかりである。


・勝ち組/負け組


 少し前に「頭のいい人・悪い人のナンタラ」という本も流行った。
 たぶん、大ざっぱに二分するのは爽快で、片方を馬鹿にするのは楽しいのだと思う。蹴落とす喜び、というのは確かにある。頭悪そうだけど。


 しかし、物事の機微というのは、実際にはいろいろだ。
 企業の業績を取り上げて勝ち組/負け組とするのはいいけれども、人をそんなふうに二分してしまうのはどうかと思う。いっそ、品性下劣と言ってもよい。


 ジャズメンの坂田明にこんな名言がある。


「勝負は勝ち負けではない」


 こんなふうに言い放てる精神を、高貴と呼ぶのだと思う。


 そうでもないか。


▲一番上の日記へ