面白ければよい

 上の漢字読み書きに関連して、書き足し。


 私は、漢字の読み書きは、本でもウェブでもメールでもゲームでも何でもいいから、基本的に日常、目にするもので知っていったほうがいいと思う。


 それぞれの漢字(あるいは言葉)の中枢神経は、実は、その背景にある人々の意識によって乗っ取られており、人知れずコントロールされているからだ。
 当然、差別やエロ・グロ、悪意など、万人が褒めてくれるわけではない意識も含まれる。
 そうしたニュアンスは、学校では教えがたい。


 もちろん、ディフェンスの最終ラインとして、学校は漢字教育をやる。


 が、基本は普段、ガキどもが目にするものだ。あやつらがもし、あまり文字を読まなくなったとしたら、それは世の中があまり読みたくなるものを提供できていない、ということだろう。


 別にガキ向け、と限って、純粋培養パパママ安心的文章ばかりを用意する必要はない。
 逆に目隠しをして、そういうものだけ与えていたら、害が大きいだろう。無菌のものばかり食わせるようなものだから。
 それでは、人生の途上で道頓堀に飛び込まなければいけなくなったとき、悲惨な目にあうこと、必定だ。


 面白そうなものなら、ガキは自然に読みたくなるものだ。そうして、旨みと栄養と毒と黴菌を身のうちに入れながら、勝手にでかくなっていく。筒井康隆江戸川乱歩エドガー・アラン・ポーの名において、これは真実である。


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