自意識過剰の国

 正月の羽田の航空機事故、ニュースを見ていると「全員脱出に海外からも称賛の声」といった類の記事や動画がよく出てくる。確かに、あの状況で全員脱出させたのは素晴らしいと思う。

 一方で、日本は海外からの見られ方をやたらと気にする国だなー、とも思う。

 もっとも、海外といったってコンゴ民共和国も含まなければ、アラブ首長国連邦も含まない。中国もめったに含まない。日本で海外といえば、アメリカかヨーロッパの大国になぜか限られている。

 もしアメリカで同様の事故が起きて全員脱出となったら、「全員脱出に海外からも称賛の声」なんて記事が書かれるだろうか。事故機の乗員なり乗客なりの対応を称賛し、場合によっては「おお、やはり偉大な我がアメリカ」となるだけではないか。アメリカに住んだことないので、知らんけど。

 日本には欧米から褒められるとうれしくなるというか、うれしくなりたいがために欧米からの評価を気にする人が多い。YouTubeなんかを見ていても「日本の◯◯を海外の人に体験させてみた(食べさせてみたとか、見せてみたとか)」という類の動画がたくさんあがっている。あるいは、「日本人は◯◯である」という決めつけのような動画もよく見かける。

 自分はどういう人間であるかとか、他人からどう見られているかとかをやたらと気にすることを自意識過剰と呼ぶ。鏡を見て自分の姿ににやついてばかりいるようなタイプだ。

 日本には日本人であることに自意識過剰な人が多いなー、と思う。そこまで気にしなくていいじゃん、と思うのだが、何かいろいろと歴史的・文化的背景や、見るもの聞くものを通じて受け取るプレッシャーがあるのだろう。

 褒められてうれしがってるばかりではなくて、自分に対する興味の半分くらいでも他国に対して持ってはどうかと思うのだが。